青山学院大学女子バレーボール部・監督&データ分析班インタビュー 

2022.05.18 written by SPLYZA Inc.

 

関東1部リーグに所属している青山学院大学女子バレーボール部。その青山学院大学女子バレーボール部の秋山美幸監督と、データ分析班の4年生である井上芙香さんと依田茉衣子さんにインタビューを行いました。

ーまず、井上さんと依田さんにお聞きします。昨シーズンを振り返っての感想を教えてください。

井上さん:
はい、よかった点としては時間を重ねるにつれて技術的にも気持ち的にも成長しました。改善点はチームに波があったことです。今年は波がなく成長していきたいと思っています。
依田さん:
昨年初めてSPLYZA Teamsを導入しましたが、レシーブやスパイクのフォームなど細かい動作にも注目して技術の向上や勝敗につなげるために分析アプリを導入することで勝ちにつながるということを学びました。SPLYZA Teamsを使ったことでメリットも増えて技術面でもいい影響がありました。

ー母校である青山学院大学でご指導される中で、監督自身が「育成」において大切にしていることを教えてください。

秋山監督:
はい、私が大切にしていることは選手が自分の枠組みを外してどんどんチャレンジできる環境を作るということです。監督として先導するのではなく、選手が目標に向かって進む中でつまずいたり悩んだりした時に一緒に考え方向性が定まるようサポートするという思いで監督をやっています。

選手が自ら率先して課題と取り組めるようにしていて(常にできるようになるための方法を考える思考を持てるように)自分(達)で考えて取り組んできた練習の成果が試合でどれだけ出せるかが大切だと思っています。できて嬉しいことも、できなくて悔しいことも全部成長に繋がると思うのでたくさん経験を積んで学ぶ機会を作っていきたいです。


ー井上さんが活動にあたって大切にしていることはなんですか。

井上さん:
一番大切にしていることは「チームで勝つということ」です。これは全競技に共通すると思います。コートの中の選手が戦うのですが、それ以外のメンバーも含めて全員で戦わないと不足部分を補い合うことができないと思うからです。誰か一人ではなくチーム”全員”で組織として戦うチームにしていきたいということを大切にしています。


ー“チーム全員で”という想いは重要ですよね。周りの選手にもそういった想いは共有しているのですか。

井上さん:
はい、4年生になったのでミーティングとかでも積極的に伝えるようにしています。

 

ー依田さんはいかがですか?

依田さん:
団体競技なので一人でも想いが違う人やネガティブな想いがある人がいるとチーム力に欠けるので、自分たち最上級生が声かけたりしながらチームを精神面含めて引っ張っていきたいと意識して活動しています。


ー井上さんと依田さんはチームではデータ分析係を担っているとお聞きしました。チームでは他にも係や役割はあるのですか?

井上さん:
はい、大きく分けて3つあります。

①リーダー:キャプテン/副キャプテン/各学年のリーダー
②データ分析係
③生活係

ですね。


ーその中で、お二人はデータ分析係に所属しているのですね。

井上さん:
はい、データ分析班のメンバーは全員で5名います。役割としては、大きく2つあります。

①試合前の対戦相手に向けての分析と攻略法を検討してチームに提示する
②練習試合含めて試合後にSPLYZA Teamsを利用してチームの課題を解決する促し方を率先してやっていく

ということを主にやっています。


ー映像を見ながら戦術面を検討してチームに落とし込んでいるのですね。

依田さん:
はい。ただ、去年は振り返りをすることはしていましたが、課題解決の提案まではできていませんでした。今年からはSPLYZA Teamsをさらに活用して、試合後の振り返りから課題をどう解決するかまで提示できるようにしたいと思っています。




ーなるほど。今後はもっと積極的にデータ分析班を中心にミーティングをしていきたいということですかね。

井上さん:
はい。昨年の先輩が試合→振り返り→共有→試合というサイクルを作ってくださったので、それを引き継いで私たちがさらに濃密にしていきたいと思っています。


ー定期的なミーティングとかはあるのですか。

依田さん:
練習後は毎回必ず実施しています。毎年やり方は変えていますが、今年は「全学年が自分の考えを共有するようにする」と決めて、キャプテンが指名をして意見を述べるという方法を行なっています。「誰でも意見を言える風通しの良いチーム」をテーマにしています。あとは、あまり良くないゲームだった時などもその時々でミーティングを実施しています。


ーミーティングの時にも映像は活用していますか

井上さん:
今年はまだ実施していないですが、去年はやっていました。映像を見て各自が気になった部分をキャプテンに送り、キャプテンや4年生が共通している部分をピックアップして行なっていました。


ーSPLYZA Teamsを利用する前から秋山監督は映像活用の必要性は感じていましたか。 また、SPLYZA Teamsを活用する前までの活用法を教えてください。

秋山監督:
はい、映像活用に必要性は感じていました。主観的(実際やっていた時の感覚)と映像で客観的に見てギャップがあったり、気づくことが多くあります。そのギャップを知ることで感覚と実際を同じにしていくことができるので。

視点を変えながら映像を見ることで沢山の発見がありますし、ミーティングなどで映像を見ながらチームで共有ができるとイメージがしやすい点も映像を活用する良い点だと思います。以前は、データバレーを用いて映像と数字をそれぞれで見ながらミーティングや個人での分析をしていました。
依田さん:
SPLYZA Teamsを使う前は、映像に関してはYouTubeも使っていました。



ーデータバレーやYouTubeも使用されていたのですね。その中でも、SPLYZA Teamsも導入しようと思ったきっかけを教えてください

秋山監督:
授業時間がバラバラなこともあり、なかなか全員が集まってミーティングをする時間を取るのが難しい中で、SPLYZA Teamsは各々で描き込めて、すぐに共有ができるので、事前に目を通しておけるという部分で全員で集まった時の話し合いがスムーズになるなと思いました。

また、今までは映像を見て話をして共有することが多かったですが、実際コメントや画面に描き込みができるのでわかりやすくなるな、と導入しようと思いました。


ーSPLYZA Teams活用前と活用後のスタッフ・選手の変化 を教えてください。

秋山監督:
選手がどんなことを感じ、どう解決していくかを見ることができて選手とスタッフ間の共有が以前よりしやすくなりました。

監督として求めるプレーや、細かい解説を載せ、それを選手が空き時間に見ることができて効率がよくなっています。


ー井上さんや依田さんは選手目線で見てどんな変化がありましたか。

井上さん:
チームの意識が向上したと感じます。私たちが1~2年生だった頃は振り返りなども個人でしかできなかったので、空気感含めて個人個人の課題を解決するという感じでした。

SPLYZA Teamsは共有ができるので、課題も共有されるようになって尚且つ一人一人の意識の高さやチームに対しての考え方の意識の高さが向上したなと思っています。
依田さん:
矢印など図形も使えるので、自分達のコート内だけでなく相手チームのコートも見ながら、相手の穴や選手の動きを見て分析したり自分達の動きをより細かく見ることができるようになりました。




ー個人からチームに視点が変わり視野も広がったんですね。チームの雰囲気の変化はありましたか。

井上さん:
一人一人のチームに対する干渉度が変わったと思います。SPLYZA Teamsを使って誰でも気軽に描き込めるので意見が活発になったなと思います。


ーSPLYZA Teamsは具体的にどういう風に活用しているのですか。

依田さん:
チームとしては主に練習試合含め、対戦後に課題や反省点を個人が描き込みして練習に持っていくというような活用方法をしています。去年の前半はプレーの良し悪しでどうだったかという振り返りに使っていましたが、良し悪しだけではないと思い、後半からはプレーの前後の動きなど「なぜ」とか「どうすればよかったか」とい視点で活用するようになりました。

例えば、スパイクをシャットされたというミスが起こった時に”なぜ”という視点で見て「相手のコートの穴が見られていなかったからなのか?スパイクが下がりきれていなくて打つコースが狭められていたのか?」「じゃあ、こうすればよかったのでは?」など、どんどん掘り下げてみることで課題と改善点が見られると思い、今はそういう風に活用しています。
井上さん:
「全員一人1箇所以上記入」というルールを設けているので、それぞれが気になったシーンを編集しています。被ってしまった場合は「同意見」というタグをつけています。
依田さん:
分析班としては、分析した結果で挙がった課題を練習に取り入れて次のゲームに活かすというサイクルを回すように今後は使っていきたいと思います。


ー先ほどデータバレーを使用している、という話も出ましたが秋山監督から見る、定量データと定性データを併用して使うメリットは何だと思いますか。

秋山監督:
試合中すぐに数字が分かるデータバレーと、映像分析ができミーティング等で活用できるSPLYZA Teamsを併用することで、数字だけではなく映像と一緒に質の部分も見られるようになったので効率が格段に上がっています。


ー選手目線ではいかがでしょうか。

井上さん:
個人的には定量と定性を併用することによって、課題の部分がしっかりと可視化できるというメリットがあると考えています。例えばアタック決定率に対して、定量だけでみると40%に達したからよかった/悪かっただけになってしまいます。数字で見ることも重要ですが、「決まっているときはどうか、決まらなかったときはどうか」数字には表せない定性的な部分も可視化することで、定量部分と定性部分をうまくマッチングができて課題に向けての解決につながると思います。


ー定性部分をSPLYZA Teamsで取り入れるようになって変化とかありましたか?

井上さん:
私はレシーブを担っているのですが、キャッチの成功率が高くてもセッターは上げずらかった、とか数字的には良くないけど上げやすかったということもあるので、数字だけでは見えない部分もあるなと感じました。


ー質の部分も見えるようになったということですね。依田さんはいかがですか。

依田さん:
例えばスパイクも決まっていても、「トスはどうだったか」その前のレシーブやキャッチの質が見られるところと、数字だけでなく定性データを見ることで良い時のセオリーや「こういうときは決まる!」という成功までの自信をみんなで共有できるところがメリットだと思います。

数字に出ない面で、アタッカーからの声が聞けたり「2段トスはこうしよう」などプレーの中で明確な部分も出るようになったのでよかったなと思っています。


ー最後に今後のチーム目標とお二人の個人目標を教えてください。

秋山監督:
SPLYZA Teamsを使って現状を知り課題を明確にすること、そしてチームで共有しながら一つ一つの課題を着実にクリアしていき、最終目的である日本一を達成したいと思います。


井上さん:
私個人としては、チームに貢献するということは前提でSPLYZA Teamsを活用してより良い影響を与えられるように取り組んでいきたいと思います。
依田さん:
今年は最上級生になるので、チーム全員がプレーしやすい環境作りやチーム内外の意見を汲み取って共有して貢献しようと思います。

あとは、SPLYZA Teamsを使って課題解決に取り組むことや去年達成できなかった「日本一」という目標を達成するためにデータ係としても反省を活かして取り組んでいきたいと思います。


ー本日はありがとうございました。日本一を目指して頑張ってください!応援しております。