【冬の全国高校サッカー選手権/大激戦区の大阪府予選を制覇!】履正社高校サッカー部・平野先生インタビュー

2021.01.04 written by SPLYZA Inc.

全国でも激戦区と言われる大阪予選(全国サッカー選手権)を見事制した履正社高校サッカー部。同校のサッカー部を率いる平野先生に、映像の活用方法や指導する上でのデータの位置付け、また日々の分析における”生徒たちの主体性”などをインタビューしました。

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ー冬の選手権出場おめでとうございます。まずは今年一年を振り返っていただけますでしょうか?


平野先生
生徒達の顔を直接見ながらコミュニケーションをとることができない期間もありましたが、逆にその期間があったからこそ、今年のチームの自覚の高さを感じられたとも言えます。

各自公園や自宅で行っている個人練習の動画を送ってもらって、彼らが毎日どんな取り組みをしているのかなどコンスタントに連絡を取りあっていたので、チーム練習が再開した際は皆自然と笑顔になりましたね。体型が変わっている生徒もおらず、彼らの意識の高さに関心しました。


ー大会(大阪府予選)期間中、生徒たちの様子はいかがでしたか?


平野先生
今年はインターハイが無く、全国レベルの経験をして選手として伸びるチャンスを失ったという意味では残念でしたし、生徒たちのモチベーションを維持するのが困難だなと思っていました。ですが今回選手権に出ることが決まって、今は逆に私が「あまり無理するなよ!」と、生徒たちをセーブしていかないといけないくらい、高いモチベーションでトレーニングをやってくれています。とても頼もしいです。


ー履正社高校サッカー部において、SPLYZA Teamsはどのように活用していますか?


平野先生
基本的には試合を自分たちで分析してフィードバックしていく形で使っています。大会中であれば出場した選手に時間を分けて、それを分析・タグ付けしていきます。それを翌々日に発表するという形です。全体的に特に気になるところや失点シーン、あとはシュートを打たれた場面や、ピンチになった場面などですね。

良いプレーにも悪いプレーにも必ず原因があるので、それを振り返って良いプレーに関しては「ここがよかったよね。だからもっと続けよう。」とアドバイスしたり。良くないプレーに対しては「そのミスが一回だけで仲間がサポート出来るものであればいいけど、2~3回と続けばそれは致命的なことになっているよね。」といった風に振り返りとして使っていました。

あとは対戦相手の映像も撮影して、どういう特徴があるチームなのかを分析します。チーム内でスカウティング部隊を作ってやっているんですけど、特にセットプレーは各チーム特徴が出てくるのでそこは必ず見せるようにしてます。


ー使っているなかで生徒の皆さんの反応はいかがですか?


平野先生
コーチや先生の指示を待つというよりも、生徒たちが主体的に「あの試合のあのシーンについては…」という具合で話し合ったりしています。中には別の試合まで引っ張り出してきて「この選手はこんな特徴があるよ」とか「ここはみんなで気をつけよう」みたいな事を映像と共にラインで送ったりする生徒も出てきている程です。

1年生は最初映像を見て「どうだった?」と聞いても「このプレーがすごかった」といった主観的な感想が多いのですが、上級生になると「〇〇がよかったからこのプレーにつながった。」といった風に客観的な意見も言えるようになるし、だんだん目が肥えてくるという感じですね。なんとなくだったところに、客観的にデータとしてどんどん蓄積されいくという部分は顕著に表れています。「自己分析→自己反省→自己改善」というサイクルが非常に有効で結果にも繋がったのかなと思います。




ー生徒がここまで主体的に動いてくれるようになるまで、平野先生はどんなアプローチをされてましたか?


平野先生
セットプレーの練習で生徒が「相手の特徴はこう」「ここには背の高いやつ」などシミュレーションをして、その時に「相手はどんな感じだった?映像は観た?」ってそこで生徒が「観ました」って言えば「じゃあ大丈夫だなやってみよう!」という感じですね。

もちろん生徒がしっかりと理解しているケースもあれば、そうでないケースもあります。その際は、生徒たちのやっていることに対して、理解が足りていないことに関してこちらが質問しています。「相手がこうやってきたらどうする?」と質問して、答えはなるべく子供達が出せるようにしていますね。ピッチの上で起こることなので、例えば試合中は我々がベンチから100%干渉できる訳ではありません。そういう意味でも、いろんな場面や変化に対してどんどん質問していって、生徒達が明確に答えを出せるように心がけています。


ー最後に、選手権に向けて意気込みをお願いします。


平野先生
今は対戦相手の映像であったり、情報というのはある程度どのチームも持っています。もちろんその情報で全てが決まる訳ではありません。それはあくまでも準備の段階であって、逆に徹底的にスカウティングをされていても、それ以上のパフォーマンスを発揮できるのが大前提なので、そのように準備をしています。

また大阪府予選が終わって以降、「個」を伸ばすトレーニングを重点的にやっています。この期間というのは、アスリートとしても最高のメンタリティで日々を過ごせているかと思いますし、下級生もそれに必死についていこうとしています。生徒たちが自らレベルを上げようとしているから成長スピードも通常の1.5倍くらいになってる。そんな日常ってなかなかないですから、彼らの様子を見ているこちらもワクワクしてしまいますね。本番までに更にバージョンアップして、全国大会の初戦に向かっていけたらいいなと思っています。