高井戸東サッカークラブ・地域ボランティアコーチインタビュー

2019.03.25 written by SPLYZA Inc.

東京都杉並区を活動拠点とする少年少女のための高井戸東サッカークラブ。そのクラブで地域ボランティアコーチとして4年生の子供たちを指導する柳さんに、クラブ内での映像活用についてお話を伺いました。


ー本日はよろしくお願いいたします。まずは高井戸東サッカークラブについて少し教えていただけますでしょうか。

柳さん:
はい。39年くらい前からある地域の小学生サッカークラブです。各学年、平日練習、朝練の他、毎週末に練習や試合があるチームで、私は今4年生を担当するお父さんコーチとして3年前から指導しています。

ーボランティアとして子供達に教えているということでしょうか?

柳さん:
このクラブに関わっている大人のスタッフは全員そうなりますね。私が40歳の時に、今まで地域のことに目を向けてなかったことに気づいて、ボランティアコーチをやり始めたんです。子供が3人いるんですが、上の子は中学校、高校と入って手が離れて時間ができて、一番下の子が所属するチームで、3年前くらいにやってみようと思い始めました。



ーなるほど。柳さんには高井戸東サッカークラブの中で2年ほど前からご利用いただいてますが、SPLYZATeamsを導入したきっかけを教えてください。

柳さん:
私が渋谷のある場所でSPLYZAの代表の土井さんのプレゼンを聞いた時に「これだ!」っと思ってすぐに導入に踏み切りました。高井戸東サッカークラブには文化として、映像を撮影して、DVDにして配ってくれる保護者の方々がいたんです。それを都度いただいて見てはいたんですが、そもそも1週間前の映像ですし、あとはデッキの中に入れないと見れないですとか…紛失してしまう方々もちらほらいらっしゃったので、全員が当日中に安全に見れるようなものはないかな?と探していました。SPLYZATeamsなら、アップロードしたらすぐに見れるようになりますし、クローズドSNSなのでプライバシーの心配もなくて魅力的に感じました。卒団していった子供たちも、大抵はサッカーを続けていますので「思い出映像」としていつでも振り返ることもできます。

あとは子どもへの説得力という意味で、映像は客観的な事実でもあるので、自由度が高く再現性の低いスポーツであるサッカーであれば、選手とコーチ、選手同士、コーチ同士がそれぞれ別々の頭のイメージだけで話すことが多くなります。1つのプレーに対して様々な意見がありそれらを選択肢として持つことは理想ですが、映像による再現がない指導現場ではそもそもコーチたちも選手たちとフォーカスずれした指導をしてしまうものでしょう。それでは上手くなりません。このアプリなら関係者間の誤解や認識ズレを減らすと同時に、小学生のサッカーIQを高めることができるかな?と思い導入しました。

ー映像をすぐに共有できるのは大きなメリットだと思います。ちなみに、普段はどんな使い方をされていますか?

柳さん:
まず、撮影とアップロードに関しては、保護者の方々がやってくださっています。撮影が好きな方を”番記者”と呼ぶことにしているのですが、基本的にその”番記者”の方にご協力いただいて、毎週末に行われた試合を撮影、アップロードしてもらっています。



タグ付けはコーチ陣がやっていて、みんなボランティアのお父さんコーチなので、日曜日の夜くらいしか時間がなく、その時間に映像に対してタグ付けしています。そして、月曜日の朝にはお母さんたちが、タグが付いた映像を見ることができるので、自分の子供のタグを絞り込んで見て、子供と一緒に振り返るなどしてもらってます。中には、通勤電車やお昼休みなどにSPLYZA Teamsを通じて我が子の成長ぶりを微笑ましく観ることがすっかり日課となっている方もいます。このアプリは、映像分析ツールとしての側面はもちろん魅力ですが、地域社会のサポーターとして応援下さる方々にとっても大変意義のあるものとなっています。

ーみなさんで協力して運用されているのですね。どのようなタグを利用しているのでしょうか。

柳さん:
各学年のコーチ陣が、指導内容のタグを作って利用しています。私の担当する4年生では、チームの共通キーワードが30ワード以上あるのですが、それらを毎試合ブラッシュアップしながらタグを作っています。ミーティングの中で子供達から出てくる意見を、こういうことだよね、ってタグにして見せてあげて、その言葉を思い出しながら毎回試合に臨めるようにしています。その内容は保護者の方にも共有して、保護者も含めた共通理解の元でチーム作りができるように進めています。

ーすごいですね。保護者を含めて、共通理解を促しながら運用されているのですね。

柳さん:
そうです。保護者あっての街クラブなので。

ー素晴らしいです。高井戸東サッカークラブで弊社プロダクトを導入してから2年ほど経ちますが、このアプリの導入前と後でチームの変化はありましたか?

柳さん:
ありました。強くなりましたよ。小学生はその点顕著だと思います。蹴るだけのサッカーではなく、頭で考えてサッカーをするようになり選手たちは伸びました。



ー子供たちの成長に役立っているというのは嬉しいですね。保護者の方々の変化などは感じますか?

柳さん:
変化というか、透明性が確保できるという意味で良い影響を与えていると思っています。練習にも試合にも、全ての保護者の方々が参加されるわけではないので「今日この子はどういう事を頑張ってきたのだろう」というのはお茶の間で振り返るんですね。その時に映像があると、何を頑張ってきたかはすぐに分かります。

あと、例えばサッカーの中で乱暴なことをやってしまったら、コーチとして指導しますが、それが映像に残るんです。なので、指導した内容が、その子供の人格を否定しているわけではなくて、彼のプレーに対して指導しているというのが明確になります。そういった意味で透明性が確保できるので、保護者にとっても合理的なツールだと思います。

ーそうなると、コーチ陣にも影響を与えそうですね。

柳さん:
そうですね。映像を通じてみんなが見てるっていうのが前提にあるので、コーチ陣にも影響は与えてると思います。心がけているのは「ダメ出しだけをしない」ということで、褒めて伸ばすので、こうすればもっと良かったというような言葉を使うようにしています。スタッフや子供たちを含めた全体としても、チーム内の統制がだいぶ効くようになりましたね。

ーそうですか。映像活用がかなり良い影響を与えているという印象です。



柳さん:
はい。 ”百聞は一見にしかず” ですので、百回聞いてもわからないことはわからないけど、映像を一回見れば分かるので、コーチ陣が子供たちの指導にかける時間の節約に役立ってます。タグ付け作業は増えましたが、全体の指導時間は短くなったと思います。

ー指導の効率化に繋がっているのですね。では「今後もっとこういう使い方をしたい」などはありますか?

柳さん:
高井戸東サッカークラブでは、低学年で年間約200試合、高学年で年間約130試合行います。その中で大事な試合の時は、20分間のボールの動きを全部追っかけて、タグを付ける試合がいくつかあります。ピッチ上のどこのエリアで最もボールが動いたか?を視覚的に見せてあげたいんですよ。そんな使い方を今後できればとは思っています。

ーすごいですね。是非チャレンジして欲しいです。最後になりますが、改めて、SPLYZA Teamsを導入してよかったと感じている事を教えてください。

柳さん:
私は事実に基づいて適切な指導をしたかった。選手も自分がどんなプレーをしたのか、その瞬間瞬間をいちいち覚えていません。そんな状態で指導しても心に入っていきませんし上手くなりません。客観的な映像で振り返って指導できるのはコーチにとっても選手にとっても非常に良かったと感じています。やはり ”百聞は一見にしかず” ですので。客観的な映像を活用して選手の視座とコーチの視座がマッチした状態で指導していける文化を街クラブに残していければと思ってます。子どもは地域の宝です。スポーツを通じて健全にみんなで温かく見守っていける環境をつくっていきたいと思います。