【ハンドボールを通して人間的成長を】高水高校女子ハンドボール部・西本監督インタビュー 

2023.09.08 written by SPLYZA Inc.

今年、13回目のインターハイ出場を果たした高水高校女子ハンドボール部。ハンドボールを通した人間的成長や生徒の主体性を重要視した取り組みについて西本監督にお話を伺いました。



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ー本日はお時間いただきありがとうございます。まずはチーム紹介をお願いします。

西本先生
高水高校の女子ハンドボール部は「辛抱・感謝・徹底」を部訓として日々活動しています。”辛抱”は、暗い・辛いというようなイメージがあると思うのですが、高水高校の”辛抱”は「とにかく明るく前向きな辛抱」です。ハンドボールという競技を通してだけでなく、生活面においてもなかなか自分の思い通りにいかない時があると思いますが、そのような場面に直面した時に明るく前向きに捉えていこうという思いがあります。

”感謝”というのは、「感謝なくして挑戦なし」。挑戦していく上でのベースとなるのは感謝だと思いますので、とても大事にしているキーワードです。最後に”徹底”は、一般的に言われる「凡事徹底」のことです。当たり前のことを、どれだけ非凡にできるかということを普段の学校生活から心がけています。



ーありがとうございます。インターハイお疲れ様でした。振り返ってみていかがでしたか。

西本先生
実はインターハイ出場が決まるまで、私が過去指導した中でも本当に難しいチーム状況でした。というのは、チームの主力メンバーはじめ怪我人が続出してしまったんですよね。その後、練習に参加できるようにはなったのですが、細かく戦術などつめた練習が十分ではない部分もあったので、指導者として反省の方が多かったです。戦術の部分や精神力の部分の準備がちょっと足りなかったかなと。この後、国体も控えているのでインターハイの反省を活かして、まず次は国体に向けて準備を進めています。



ー次の準備を始めているんですね。先生はご指導される中で、どのようなことを意識していますか?

西本先生
私が大事にしているのは生徒の「主体性」です。 時代というのもありましたが、以前は正直かなりスパルタに指導していた時期もあります。自分の思いだけで、色々突っ走った時期もあるんですけど、今はやはり生徒自身が「どれだけ主体的にハンドボールという競技に取り組むか」ということが大事だなと思っています。部活の場面だけではなく、日々の生活の場面でもしっかり主体性を持って行動していこうということは言っていますし、大事にしています。






ーなるほど。 この主体性の1つの取り組みとして、SPLYZA Teamsも使っていただいているんですね。

西本先生
そうですね、まさに「主体性」の取り組みとして「SPLYZA Teams」を活用しています。ずっと生徒を指導していく中で、 今のチームもしくは今後、私が指導していく上で「何が必要かな」と自分の指導を振り返ってみる機会があったんですが、その中で、指導者の勘や経験値だけで生徒に伝えるのではなく、実際に具体的に数値で可視化できるようにしていきたいなと思っていました。

そのタイミングで、山口県スポーツ協会のサポート事業の話も聞いていたのですぐにでも取り入れたいと導入を決めました。



ー導入前も映像を使った振り返りの習慣はありましたか?

西本先生
はい、ありました。ミーティングも実施していました。



ー導入前の課題と変化を教えてください。

西本先生
以前は、副顧問の先生が攻撃部分だけを切り取るなど映像を編集してくれていたのですが、編集に非常に時間がかかり、ミーティングも効率が悪かったです。ただ、今はSPLYZA Teamsのライブタグ機能を使って試合中にある程度のタグをつけておくことで、すぐに攻撃部分だけ見ることができるようになったので、ミーティングの効率がよくなりました。



ーSPLYZA Teamsは具体的にどのように活用しているのですか?

西本先生
練習試合・公式戦などの試合ではすべて使っています。タグはライブタグを使いながら、月曜日のミーティングまでにグループごとに役割分担して、足りない部分を補足で編集しています。

ミーティングはチームとしてかなり大事にしている時間で、チームの1週間の目標を立てるだけでなく、対戦相手の分析や土日に行った練習ゲームの振り返りを行っています。






ー選手が主体的にSPLYZA Teamsを活用して分析をされていると思いますが、指導者側が携わることもありますか。

西本先生
そうですね、タグは生徒だけですが、「このプレーに対してはこうした方がよかったかな」とか「こんなプレーの選択肢もあるかな」ということを書き込むことは時々やります。

ただ、私はあまり多くは書き込まないようにしています。どうしても「先生がこう言っているならこうだよね」というように、生徒の考えではなく決めつけてしまう部分もあると思うので、回数は多くないです。



ー選手からの「描き込み」をみて、先生にも新たな気づきは得られるのでしょうか?

西本先生
あります。チームや個人の成長の過程というのがわかるようになりました。導入した頃は、表面的なところしか見られていなかったですが、今は、「その事象に至る前の段階はどうだったのか」とか、シュートだけではなく、そこに行く「パスの出し方」とか そういった部分も生徒たちが自分で考えて、書き込んでいるんだなと思います。そう言った意味では、「こういうこと考えているんだ」と新しい発見があります。






ー導入前は指導者からの提示が多かったとのことですが、生徒自身が主体的にアウトプットするようになって変化はありましたか?

西本先生
実際に具体的な数値を持って目標を立てられるようになったことですね。うちのチームは大会直前になると、その大会の目標をチーム全体と個人で立てるんですが、例えばキーパーで言うと、セービング率などSPLYZA Teamsで出てくるので、「この大会ではセーブ率◯%以内に抑える」とか、シューターは、「シート確率を◯%にする」など目標を立てています。今までは、得点や失点部分は数字で出していましたが確率部分は全くなかったので...



ーミーティングを大事にされているとのことでしたが、ミーティングも選手主体で行っているのですか?

西本先生
対戦相手の分析や戦術共有のような部分は、やはり監督としての意見も伝えたいので私が中心に行うこともありますが、選手が中心となって行うミーティングもあります。最初はなかなかできなかったので、私の方が声を出すことが多かったんですが、最近は選手自身が進める機会も増えてきました。



ー選手で進める機会が増えてきて、ミーティングに変化はありましたか?

西本先生
まずはやっぱり、なかなか発言しない子がいるんですが「発言しないはなしにしよう」ということを伝えて、繰り返していく中で、みんなが発言をするようにはなっていきますね。ディフェンス担当・オフェンス担当のように担当がある生徒もいるので、その生徒を中心に自分で発言するようになったなと思います。



ー先生が「高水高校ハンドボール部」を通して伝えていきたいことはなんですか?

西本先生
そうですね、学校という現場で私も部活動・スポーツに携わってるので「人間的な成長」を1番伝えたいです。競技で勝つとか優勝するっていうことも、競技をやる上では本当に大事なことなんですけども、どんな形をどんな手段をとっても勝てばいいかというと、私はそうではないと思っています。

ちょっと綺麗事になるかもしれないですが、 特に育成段階の子にとっては、やはり感謝しながら取り組んでいくとか人間的成長が大事だと思うので、ハンドボールというものを通してそう言った部分の成長を伝えていきたいです。

あと、SPLYZA Teamsのコンセプトである「スポーツは考える力を育む」もいいですよね。本当に、競技は様々あると思いますが考えないと競技力は伸びないと思うので。



ー最後に、今後の目標を教えてください。

西本先生
今年のチーム目標は「信頼し合えるチームで、常に明るい信抱と強い意志を持ち、感謝を言葉・行動・結果で表現し、 誇りとされるチーム」です。

当面は国体のブロック予選がありますので、そこを通過することです。ただ、どういう形で通過していくかってということも次に向かっては大事だと思うので、しっかりと準備をしたことが発揮できるような通過の仕方をしたいなと思ってますし、本国体でですね今まで怪我で苦しんできた子たちやストレスが溜まっている子もいるので、そういった子たちが思いっきりハンドボールに集中できるような環境で、準備してチームが目指す「日本一」という目標に到達できるように取り組んでいきます。



ーありがとうございました。これからの活躍も応援しています!