八代工業高等学校サッカー部・富永監督&選手インタビュー

八代工業高等学校サッカー部・富永監督&選手インタビュー

2021.10.14 written by SPLYZA Inc.

ーそれでは富永監督、自己紹介をお願いします。

富永監督
富永監督:
八代工業高校の情報技術科の教員でサッカー部の監督をしています。小学校4年生から中・高と熊本で、大学は福岡とずっとサッカー一筋です。大学卒業後は熊本に帰ってきて、熊本県教員蹴友団でプレーをしていました。今は現役は引退しています。


ー八代工業高校サッカー部には赴任2年目と伺いましたが、チーム作りをされる上で何か意識されていることはありますか。

富永監督
富永監督:
赴任当初は「こんなサッカーがあるよ」と、彼らが今まで出会ったことがないような気づきや発見を、様々な角度から提供していける仕掛けをスタッフ間で共有し選手たちにアプローチしました。

八代工業高校の選手たちは吸収力が高く、アンテナの鋭い選手が多かったので僕らの期待以上の気づきや発見を見つけ出してくれました。1年目から既にドラマやストーリーのある集団だったように思います。



ーSPLYZA Teamsを導入したきっかけを教えてください。

富永監督
富永監督:
元々、昼休みに選手とご飯を食べながら試合映像を観ていました。「4時間目の授業が終わったらすぐ準備、違う教室に行って映像を観る」というサイクルで行っていましたが、これが手間でした。

良い取り組みでもストレスになってしまったら長続きしないと感じ、いつでもどこでも誰でも好きなタイミングで映像が共有できないかと考えていた時に、知り合いの先生にSPLYZA Teamsを紹介してもらい「これだ!」と思いました。


ーそれまでも映像を撮影・共有をされていたんですね。それは何故ですか。

富永監督
富永監督:
僕自身ずっとプレーヤーをしていましたが、自分の時はそこまで振り返りはやっていませんでした。それと大学の時はずっとトップチームにいたわけではなかったので、共有される映像に映っていることすらありませんでした。

自分の経験として客観的に見られる機会が少なかったので、その分、うちの選手たちにはトップであろうがセカンドであろうが、映像を撮影し客観的に自分を観る機会を設けたかったんです。



ーSPLYZA Teamsの普段の使い方を教えて下さい。

富永監督
富永監督:
最初は紅白戦、練習試合、公式戦をメインに共有していました。ただ、ある時から練習映像も共有してみようと思いました。

「出来ていない」と誰かに指摘される言葉よりも、自分自身で「出来ていない」と気づいた方が説得力があります。練習で出来ることが試合にも直結するので、日々の練習の段階から意識・知識の共有を図るという意味でも始めました。


ーSPLYZA Teamsを導入して約半年経ちますが、何か変化があれば教えて下さい。

富永監督
富永監督:
僕自身の変化は、一日のトレーニングメニューの構成をウォーミングアップから最後のゲームまでの流れをルーティン化しました。映像を振り返り、見つけた改善点を次の日の練習で修正していきました。指導のマイナーチェンジを毎回できるメリットがありますね。





ーご自身のコーチングも客観的に振り返っているのですね。選手の変化はどうでしょうか。

富永監督
富永監督:
うちの場合は、編集作業を強制していません。主将の発信によって選手達で実施する流れが出来ていて、映像を振り返ることへの主体性が出たことが今までとの違いだと思います。

映像の振り返りをすることにより”意識や知識の共有”が浸透し始め、トレーニング中に僕が話している言葉、目的や意識して欲しい部分のキーワードが選手の口から言葉として出始めてきたのは大きな変化ですね。


ー熊本県は蔓延防止措置で、チームで活動できなくなった時期がありましたね。その時の活用方法について教えて下さい。

富永監督
富永監督:
夏休み後半から熊本県では練習が一切中止になりました。選手権予選が10月2日に開幕することは変わらなかったので、出来ない期間はOFF期間ではなく、個人として出来る能力を伸ばすポジティブな期間に変えようと思いました。

具体的には、一週間の自主トレーニングを選手たちが撮影し、それを5分間にまとめてSPLYZA Teamsで共有しました。


ー共有する頻度は先生が決められているんでしょうか。もしくは選手に委ねていますか。

富永監督
富永監督:
その辺りはフレキシブルに対応しています。一週間でやったトレーニングを共有すると決めているので、3日間やっている選手、1日しかやっていない選手それぞれいますが任せています。


SPLYZA Teams


ー強制ではなく自由度の高い共有の方法をされているんですね。

富永監督
富永監督:
自由度を高くする弊害としては、目的意識や道筋を立てて出来る選手ばかりではないことですかね。なので、選手が迷ってしまわないようにゴールを定めることにしました。9月13日から練習再開の許可が出ていたので、その日に各項目のテストをすると公表しました。

例えばロングキックの距離、リフティング・懸垂回数等いくつかの項目を分けていき、Jリーガーやトッププレイヤーの出す平均値を洗い出し共有しました。高校生なのでその記録を超えることは難しいですが、ベースとして目標スコアを設定することに意味があると思いました。

そして自粛期間に入る前に、1回目のテストを行いました。思い通りのスコアがでる選手もそうでない選手もいましたが、その結果が基準となり今回の自粛期間にやったことが2回目のテストでどう反映されるかもひとつの評価基準にしました。 

ー自主トレーニングメニューを共有するのは何か意図があったのでしょうか。

富永監督
富永監督:
昨年度からですが、人と会えるのが当たり前だった世の中から、突然、簡単に人に会えない世の中になりました。何かチームを近くに感じる方法がないか考えていたところ、トレーニングメニューの共有を思いつきました。

オープンシェアにする1番のメリットは、選手との交換ノートで気づかされました。八代工業高校では、3年生は9月中旬から就職試験が始まります。サッカーと就職・進学、夢の実現に向けての両立でとても多忙な時期です。そんな中でも、仲間が頑張っている姿を目にして、「俺も頑張ろう!と思えました」とノートに書いてあり、まさにそれだなと思いました。


ー今後、SPLYZA Teamsをどのように活用していきたいですか。

富永監督
富永監督:
僕らが高校生だった頃は、こんなにSNSは普及していなかったので見えない努力を当たり前にやっていました。でも、最近はSNSが急速に普及してきたことで、「いいね!」が欲しい、承認欲求の高い選手が多いのが現状です。

見える努力を認めて欲しい選手が多いと感じているので、SPLYZA Teamsを通して、いろんなものをオープンシェアすることにより、「みんなが認めあえる、承認と笑顔があふれたチーム」を作っていくことが当面の目標です。


ー最後に、富永監督がサッカーの指導をされる上で大切にしていることはありますか。

富永監督
富永監督:
僕が赴任する高校は、ほとんどが高校を卒業したら就職をする選手達です。サッカーが上手くなってほしいので教えていますが、それ以上に、”サッカーを通じて学んで欲しい、気付いてほしい”と強く思います。社会に出た時に、「企業貢献、社会貢献」ができ、合わせて自分らしさを兼ね備えている。自立・自律した人に育ってほしいと思っています。





ーありがとうございます。それではここからは選手にも参加してもらいます。それではまずはお二人の自己紹介からお願いします。

谷口さん
谷口さん:
今年度キャプテンの谷口です。ポジションはボランチをしていました。

長本さん
長本さん:
2年生の長本です。ポジションは同じくボランチです。




ーSPLYZA Teamsを導入してからの変化を教えてください。

谷口さん
谷口さん:
1年生も含め、チームの戦術を字幕等を用いて全員で確認できるところが良かったです。コミュニケーションが取りやすくなったと思っています。

長本さん
長本さん:
トレーニング動画を見返した時に、自分のイメージと実際の動きが違うのを客観視できるのがいいなと思っています。


ーSPLYZA Teamsを活用するなかで個人的に助かった機能はありますか。

谷口さん
谷口さん:
試合の得失点シーンを何度も確認することができるので、良かったところと悪かったところを落ち着いて観られるところです。

長本さん
長本さん:
動画のコメントで監督がポイントを書いてくれることがあり、それを確認して復習できることが気に入っています。


ーそれでは谷口さん、サッカーを通じて学んだことがあれば教えてください。

谷口さん
谷口さん:
チームプレーの大切さです。サッカーは11人でするスポーツなので、1人だけ頑張っても勝てません。仲間とコミュニケーションを取りながら頑張ることが大切だと学びました。

ー最後に長本さん、今後の目標をお願いします。

長本さん
長本さん:
今年度目標としていたBEST8を達成できなかったので、来年はそこに拘って日々のトレーニングを頑張っていきます!




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