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【戦術系女子に聞いてみた!】安城学園高校女子サッカー部・生徒4名&中野篤監督インタビュー

2019.08.01 written by SPLYZA Inc.

第73回愛知県高等学校総合体育大会では、準決勝で強豪校である聖カピタニオ女子高校を下し、決勝では惜しくも敗れましたが準優勝という素晴らしい成績を残した安城学園高校女子サッカー部。そんな彼女達、実は日頃から映像分析にも力を入れる「戦術系女子」な皆さんでもあります。今回は戦術系女子の4名、3年生のリンさん、2年生のユイさん、アズミさん、リナさん、そして中野篤監督に普段の映像活用や今後の目標についてお伺いしてきました。


戦術系女子編

ー本日はよろしくお願いいたします。早速ではありますが、安城学園女子サッカー部では現在、どのように試合映像を分析されているのでしょうか。

リンさん:
自分達の試合の映像を使ってパフォーマンスの分析をしています。4月の総体前にやっていただいたSPLYZA Teamsの講習会で、タグ付けだけでなく、図や字幕を書き込むのも教えていただいたじゃないですか?それからはタグ付け、図、字幕と全部やってますよ。

リナさん:
でも、講習会のときのタグ付けよりはシンプルにしました。気になったプレーのタグと、定性評価のタグ(Good/改善)だけつけています。図と字幕の書き込みが多いです。

リンさん:
攻守の4局面とか開始エリアなどは必要な箇所だけにして、プレーがどうだったのか、というのをメインにタグ付けして、書き込んでいます。このプレーはこうした方がいいかも。とか、このプレーはどうだろう?とか…その辺を分かるように編集する感じです。誰が編集したのかも分かるように、メンバータグを編集した部分に入力するようにしています。

▼安城学園高校女子サッカー部が使用しているタグ一覧


ーそのメンバータグの使い方は斬新で良いですね!ちなみにタグ付けや字幕、図の書き込みはどなたが行なっているのでしょうか。

ユイさん:
はい。マネージャー以外の26人で全員で分担してやってます。

ー分担して全員で行なっているんですね。土日に試合が多いと思いますが、試合の後はどのような流れで皆さんが分析しているんでしょうか。

リンさん:
試合の後は撮影した映像を先生がその日のうちにアップロードしてくれます。

アズミさん:
試合数が多いときとかは夜の10時を過ぎることもあります。今か!って(笑)でも試合が1本のときとか大体は8時か9時くらいです。

ーその後、編集するのはいつやるんですか?

リンさん:
起きてたらすぐやります。もちろん各自のペースでやれば良いので、寝てたら次の日にやる人が多いんじゃないかな?みんな作業するのは苦じゃないというか、早いですよ。

▼普段は各々のスマホで分析し、チームミーティングはPCの画面を用いて行うそうです。


ー素晴らしいですね。皆さんの作業分担の流れについても教えてください。

リンさん:
背番号順に5分ごと担当してます。試合がアップされるまでには、今日の担当する時間を私が簡単にまとめてLINEのグループでみんなに回します。

▼グループLINEで回す分担表


ー作業自体には期限を設けたりしているんでしょうか。

ユイさん:
期間は特にないですけど、みんな次の試合までには終わらせてますね。

リナさん:
5分ずつだし、試合数多くても1週間あればさすがに…というか既読でバレる(笑)

ーということは皆さん既読機能も使ってくれていそうですね。皆さん分担して編集したものはあとで見ますか?みんなで?それとも各自でしょうか。また見るとしたらどのへんを確認しますか?

ユイさん:
各自です。自分の担当部分を分析した後、みんな見てるか分からないですね。

リナさん:
うーん、ぶっちゃけ見ないこともあります(笑)

リンさん:
私はがっつり見ます!とりあえず通しで見るかな。

アズミさん:
自分が覚えてたシーンとかは見たりします。ただ、私も全部は見ないかな…

ーなるほど。個人によってバラつきはあると。

ユイさん:
編集する前に通して見ることはあります。忘れちゃってることもあるので。字幕が付いていたり、自分のタグが入力されているところは見ます。

リナさん:
私は頭の中で思い出して、書き込んでますね。

アズミさん:
関係ないかもですけど、ものすごい暇なときに勝って嬉しかった前の試合とか見ます(笑) 過去の試合にすぐアクセスできるのは便利ですね。



ー毎回全部見るのはさすがに時間的に厳しい中、皆さんうまく使っていただいているみたいですね!ここにいる4名は少なくとも1年は使っていただいていますが、SPLYZA Teamsのここが便利だな!ってのがあったら教えていただきたいです。

アズミさん:
タグ付けされたフレームのスキップ機能とスロー再生、倍速再生はよく使っています。

リンさん:
ここが便利…正直慣れすぎて何が便利なのか分からないです!

ユイさん:
日常的にやってることだし、私も何が便利か分からないです(笑)

ーありがとうございます。映像分析が当たり前になっているのはこちらとしても嬉しいです。今後もガンガン活用してくださいね。話変わりますが、県総体で準優勝という素晴らしい成績を残しましたが、SPLYZA Teamsはお役に立てましたでしょうか。

全員:
はい!

リンさん:
最初は映像をアップするだけでしたが、タグ付けだとか、あとは特に字幕をやるようになってから、メンバーが何を考えているかが少しずつ分かるようにもなりました。ただ、優勝を目標としていたので悔しい気持ちもあります。相手チームの分析は先生(中野監督)がやってくれて、それはもちろん良かったです。でも、これを自分たちでやったら、自分たちなりに気づくこともあったとも思うし、まだやれることは沢山あるなぁと考えてます。

ー次へのステップも頭にあるし、素晴らしいですね。では最後に、今後の目標をお願いいたします。

リンさん:
愛知県で優勝し東海も突破して(全員で頷きながら)全国大会に出場することです!!

ー今回は面談の合間に時間を作っていただき、ありがとうございました。これからも頑張ってください。応援しています。




中野篤監督編

ー生徒さんからも聞きましたが、映像の活用に関して、監督からも聞かせてください。

中野監督:
試合はずっと撮影してて、創部が2006年で、たぶん2008年ぐらいからのデータは全部あります。外付けHDDが6つ目かな。ちなみにビデオカメラは3台目です。うちの生徒達は結構物持ちがいいんですが、どうしても壊れるんですよね。撮影は今はマネージャーがやってくれていますが、怪我している生徒が撮ったり、そのゲームで出番のない生徒が撮ったりもしています。

ーその映像は監督がアップロードしていると聞きました。

中野監督:
そうです。その日のうちにアップロードしています。簡単な試合日の流れですが、まず行きのマイクロバスでその日のテーマとかメンタリティの話をします。会場に着いたら準備してウォーミングアップしてゲーム。ゲームが終わって、帰りのバスに乗ったら、すぐにその日のゲームの映像を流しっぱなしにします。そうすると、ぼーっと見ている子もいれば、それを見ながら周りと今のはあーじゃないこーじゃないと話をする子もいたりします。学校戻って解散したら、僕が帰宅してアップロードしてます。

ー生徒さんが「たまに夜の10時過ぎるんですよ〜」って言ってました(笑)

中野監督:
(大笑いしながら)実は前半が2つに別れてしまったときとか、1つの映像にしてからアップロードしているんですよ。だからどうしても遅れてしまいます。あの子達からしたら大変ですよね。あの子達が、遅いな〜って言っているときはそれをしてます。知らないんですよ(笑)



ーそうなんですね(笑)アップロードが終わったら今度は生徒が頑張る番ですね!5分ずつで分担して、遅くても次の試合までには終わってる、と言っていました。

中野監督:
そうですね。早い子はその日の夜にやってしまうし、2日前のゲームをその日の午前中にやったりする子もいます。それもそれかな、と。ちゃんと落ち着いて分析してくれればいいと考えているので急かす気はないですね。期限を設けるつもりもないです。

分担する時間は元々は10分ずつでした。これが5分に変わったのも最近です。実は4月にSPLYZAさんに講習会に来ていただいてから、生徒達のタグ付けに向き合う姿勢が随分と変わったんですよ。その上で、僕がいくつかのゲームで彼女達のプレーに対してメッセージを結構書き込んで、生徒達に聞いてみたら「分かりやすい」「どういうことを要求されているのかが分かってきた」「先生がなぜあのリクエストをしてきたか分かった」と言ってくれました。じゃあ、コメントを書き込むのもみんなでやろうじゃないかってなって、図や字幕の書き込みに力を入れるようになりました。ただそうすると、10分じゃ大変なんですよね。それで5分に短くしたって流れがありました。

ー再講習会が良いきっかけになったのは良かったです!タグ付けはシンプルにして、気になったプレーとその評価、あとは誰が誰に言っているのかを分かるようにしていると伺いました。

中野監督:
そうですね。やっぱり自己評価も必要だし、僕からの評価も大事なんですけど、仲間同士の評価も大事だと考えています。今思えば、今までの誰からのメッセージか分からないやりとりは不気味だったなと思っています。今は誰から誰へのGoodだったり改善のメッセージなのかが分かるようになってきた分、2、3年生はやりやすくなったんじゃないかと思います。1年生はやりにくいと思いますけど(笑)

今の僕たちのSPLYZA Teamsの使い方が以前と劇的に違うのは、「これも良いけどこの選択肢もあるよね」と多角的なメッセージ、フィードバックができているところです。ある1シーンで赤青緑の矢印と字幕も使って、「赤が実際に行ったプレーだけど、青の選択肢も緑の選択肢もあったよね」とサッカー解説者のようなことが部員同士でできています。たぶん、楽しんでやっているところもあるんじゃないかな。

▼実際に生徒が書き込んだ画面


ーみなさんインタビュー後に「タグ付けするの楽しいし好きです!」と言ってくれていました。こちらとしては嬉しい限りです。映像活用という点で、対戦相手のスカウティングに関しても聞かせてください。基本的には中野監督がやっていると伺いました。

中野監督:
そうですね。しっかり相手のことを理解して試合に臨む方が良いときは対戦相手の映像をSPLYZA Teamsにアップして共有します。ただ、あまり印象付けたくないというか、一時的な理解の方が良いときはアップせずに集めて見せることもあります。後者は昔ながらのやり方ですね。これはケースバイケースで、この判断は僕がしています。

ーキャプテンのリンさんは「先生のも分かりやすいけど、より理解が深まるし自分たちの視点もある、という意味でスカウティングも自分たちでやった方がいいかも」とも言ってました。

中野監督:
それは素晴らしいですね。今まではそんな意見は出てきませんでした。成長してきたんだと思います。自分たちのプレーを分析したり、動画を編集したりするうちに、映像を見ることで対策を立てられるという感覚があるから、その発想になったわけですよね。これは日頃の積み重ねがなければその発想にはならなかったと思います。

ー現在3年生のリンさんが入学したのと同時期に弊社アプリを導入していただいているので、映像で試合分析を行うことが当たり前の「戦術系女子」の世代ですね。

中野監督:
確かにそうですね(笑)恵まれた世代です。彼女達は、先ほどお話していただいたので分かると思うのですが、とにかく仲が良いんですよ。ただ、全員が全員お互いのサッカー脳のことを深く理解しようとしているかというと足りていないとこはありますが、それをこのアプリが助けてくれてると思います。スマホで繋がる、というのは現代的でうちのチームには合っていると感じています。



うちの部には柱になっているものがいくつかあるのですが、間違いなくその1つです。もう文化になってきていると思います。だからこそ、部員募集でも使わせていただいていて、中学生やそのご両親、顧問の先生にSPLYZA Teamsで映像を見せると「高校ってこういうことやっているんだ」と驚かれます。ただ、「どこでもはやってませんよ」って言わせてもらってますけどね(笑)

ー色々な面で役立てていただいて嬉しいです。具体的には導入前後でどのような変化があったのでしょうか?

中野監督:
導入前の試合を見る機会は先ほどの試合後のバス中で、基本的にはそこだけでした。振り返るときに記憶をたどるしかなかったんですよ。複数人で前回の反省をしようにも共有できない。だから、競技レベルに関係なく導入前より今の方が同じミスを繰り返すことが減ったと思います。また、1つのコメントに対して、同じイメージを描ける子が増えてきています。具体的には自分の主観の映像じゃなくて、俯瞰の映像を共有できていると思います。このような変化は感じます。



あと、ゲーム中にベンチの私が言ったコメントに対して「私はこっちを考えていたんだから」と生徒が思うときがありますが、あとで映像を見て「先生が言ってたことはこういうことか」と理解してくれることも出てきました。また、これは逆もあります。僕が映像を見返してて、あのとき僕が言ったことは違ったな、これはこちらのコメントのミスだったな、と反省することもあります。

ーたくさんの変化を聞けて嬉しいです。映像が答え合わせになり、生徒だけじゃなく監督の気づきにも繋がっているんですね。

中野監督:
そうですね。例えばJFAから提供されている映像とかトレーニングとかもあるんですが、プレイヤーも指導者もその映像のレベルに及ばず、実際に適応できないときもあります。そこで、じゃあどうするか、というのを僕らは研究、実験してます。その際に撮影した動画がSPLYZA Teamsにあれば教材にもなるし、振り返る材料にもなるし。助かってますよ。

ーここからは少し中野監督にご自身のことも聞かせていただきたいです。安城学園女子サッカー部の監督になるまでにどのような道を歩んできたのでしょうか。

中野監督:
小学校から大学までサッカーをやってきて、指導者と仲間には大変恵まれていました。ただ、自分自身を見つめたときに「大学までが精いっぱいだな」と思ったのと、教員の夢もあったので、自然と指導者の道に進んでいきました。最初は安城学園とは別の学校の男子サッカー部で3年間指導しました。それと同時に東三河の男子のU-18に3年間携わりました。教員初年度で関われたのは幸せだったな、と思ってます。そのあと安城学園にきたのですが、最初は男子サッカー部でした。何年か見ていると、当時の校長から女子サッカーを見て欲しいと言われ、最初は断ったんですが、徐々に「やってみようかな」と思うようになり引き受けました。それで今に至る感じです。



元々女子サッカー部は同好会でした。十数人が蹴ってたかなぁ。僕が監督をやることになって、その子達とミーティングしました。2005年12月に「これからは僕が顧問になる。雨が降ってもオフにはしないし、風が吹いても練習はやるよ。それが嫌だなって子はちょっとこれから難しいかな。」と話をしました。そしたら、翌日来たのはなんと3分の1でした。そこで辞めてしまった子には本当に申し訳ないけど、こちらの気持ちをちゃんと伝えてからスタートできて、その後も来てくれていた子が女子サッカー部の一期生です。その一期生達が辞めなかったから今があるって感じですね。そのあと年度が変わって2006年4月からが正式に部活動として始まりました。

最初は本当に勝てなくて悔しかったですね。愛知県は女子サッカーをやっている学校が比較的多くて、トップに聖カピタニオがいました。そこの多田先生が非常にオープンマインドでしたので、良い練習相手ぐらいにはなりたい、と思ってやってました。もちろん勝ちたいは勝ちたいですけどね。生徒たちにもそういうことを言い続けながら、徐々に力をつけていきましたね。たまたま経験者が入ってきたり、練習試合を見た中学生が興味を持ってくれたりと、そういうのが何年かあって今のチームに至ります。

最初から選手集めに奔走したとかはなく、むしろ毎日の練習場所の確保に奔走しました。決まった練習場所もなく、移動式のゴールを買って…これも買ってみたら小学生用のゴールで(笑)それを運びながら放牧民のように転々として練習してました。懐かしいですね。

ー中野監督は何年も指導の現場に携わられてきて、現在もコーチングを行う上で大切にしていることはありますか?

中野監督:
部のパンフやHPにも出しているのですが、チームのテーマが「強くて、魅力的で、やりがいのあるサッカー」です。これを実現できるチームにしたいと思っています。”強くて”はもちろん結果を求め、相手にも尊敬されるようなチームになりたい。”魅力的で”というのは、見ている人に安城学園のサッカーって面白いね、思ってもらいたい。色んなことが出来るチームにしたいと思っています。生徒には結構色々な要求をしています。最後の”やりがいのある”は、やっている本人自身が安城学園に来てよかったと思ってもらえるようなチームづくりです。これが一番難しいとは思いますが、一番追求しなくてはいけないとも思っています。



ー先ほど、最初は男子を見ていたと仰っていましたが、男子と女子で違いを感じることはありますか?

中野監督: 色々あると思いますが、サッカーの本質的な部分では「女子はミスが許されない」。これがもともと男子を見ていて、そのあとに女子を見て一番違うなと感じたところです。理由は簡単で、男子はミスをしても走って追いつく、身体能力でカバーできます。女子も中にはスーパーな身体能力を持つプレイヤーもいますが、基本的には男子ほどのアジリティもなく、追いつく走力が足りないです。また男子はミスをミスと思わせない上手さもあります。この辺は代表レベルを見ていても思ってます。

ー実は安城学園女子サッカー部のHPで中野監督が書かれている「顧問の独り言」を拝見させていただきました。そこに最近の紅白戦について書かれていたのですが、話を聞かせていただきたいです。

中野監督:
見ていただいたんですね(笑)子どもたちには苦しい部分もあるかもしれないけど、今紅白戦はトップチーム対セカンドチームでやっています。そこでセカンドチームが頑張るんですよ。最終的にはトップが勝つんですけど、セカンドが本当に粘ります。これが美しいんですよ。部活のノートを見てみても、「セカンドの〇〇のプレーが参考になった」とか「セカンドチームがあれだけ粘り強くやるから、私たちも頑張ろうと思えた」とか、具体性のあるコメントも精神的な部分のコメントあって、互いに認めう関係になってきています。学校の部活動としては理想的で価値があるな、と感じています。

この紅白戦で切磋琢磨するのはつい最近だけじゃなくて、ここ3、4年で見られるようになりました。今年のチームに限れば、トップに2年生が多く、セカンドは3年生と1年生中心になります。やっぱりセカンドにいる3年生が頑張るんですよ。トップチームの2年生とバチバチでやってくれます。ただ2年生が勝つ、3年生が悔しくてもっと頑張る、そこに上手にサポートいけない1年生がいる。セカンドの3年生が1年生に頑張ってほしい、と言うだけでなく、トップチームの2年生が1年生に声をかけてくれます。トップとセカンドに壁があるのではなく、チーム全体として声を掛け合えているのは本当に良いことだな、と思っています。

ーこれが3、4年となると、もう文化になってきていますね。素晴らしいですね。

中野監督:
そうですね。あとは、どうしてもトップチームに上がれなくて、覚悟を持ってセカンドチームからチームに貢献してくれている生徒が、それでも安城学園に来てよかったと思うためにはトップチームがある程度結果を出す必要があると思っています。トップチームの子達が不甲斐ない戦いをすると、そんなんなら私達出してよ、となるのは当然です。今でもトップチームがそういう失敗することはありますし、その後にあるセカンドチームの試合で大いに盛り上がることがあります。そうすると、トップチームの子達が部のノートに「私達の方がダメなサッカーをしている。セカンドチームの方が素晴らしかった。」と非常に謙虚に、先輩後輩関係なく相手をリスペクトした文章を書いてきてくれます。正しく理解できるなと最近は感じています。

生徒たちは本当によく頑張ってくれています。この頑張りは僕の支えですね。30代の頃は生徒に支えられているとはあまり思ってなかったです。今は本気で部員に支えられてるなと思います。

ー最後にチームの目標と、監督の指導者としての目標をお伺いしてもよろしいでしょうか?

中野監督:
チームの目標は全国に行って勝つことです。そして、それと同じくらい安城学園高校女子サッカー部を選んでよかったと思える部員を増やしたい。それがチームの目標であり、僕の目標です。

ーありがとうございました。素晴らしいお話を聞かせていただきました。感動的でした。

中野監督:
手前味噌ですけど、初心者集団からよくここまで頑張ってきてくれたと思ってます。最初の練習試合なんかはびっくりしましたね。部員足りなくて8対8で。ちょっと泥濘んでたんですよ。ちょっと汚れたボールが顔に当たって、主審にも味方にも何も言わずにグラウンド脇の水道に顔を洗いに行ったのが一期生のキャプテン。スローインはまさかのチェストパス…凄かったです。そんな子達も本当に宝物です。