青山学院大学サッカー部・清水監督インタビュー

2022.06.08 written by SPLYZA Inc.

42年ぶりの都リーグ降格から1年で関東リーグに復帰を果たした、青山学院大学サッカー部監督の清水厚監督にインタビューを行いました。



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ーおととしは都リーグに落ちてしまって、昨年1年で関東リーグに復帰したという年だったと思いますが、昨シーズン振り返っていかがでしたか。

清水監督
42年ぶりに降格してしまい、覚悟を持って臨もうという1年でした。全員が必死になって1年で戻ろうという姿勢が結果に反映されて復帰できました。関東リーグよりも都リーグの方が難しいと感じました…。試合の運び方やリーグによる特徴、メンタルの部分もあって昨年のキャプテンの植松を中心に選手たちはよく頑張ってくれたと思います。




ー清水監督が「育成」において重要視されていることはなんですか。

清水監督
選手が主体的に取り組むというところを重んじて指導しています。どういう風に実際にやっているかというと、今はSPLYZA Teamsを活用してゲームの準備という部分で分析を選手に見てもらっています。

自分達がゲームに対して責任を持って準備する、責任を持って準備をすると、ゲーム中に責任を持つようになる、ゲーム中に責任を持つと誰かのせいにもしなくなるし会話も変わってきます。 事前準備ひとつでいろいろなつながりができてくるので、主体的に取り組んでもらうという意味でSPLYZA Teamsを使って具現化できました。







ー分析部門があるんですか?

清水監督
あります。部門が8つに分かれていてその中に分析部門があります。部門長を中心に、次節への準備をしています。自チームの分析は、我々スタッフと学生と一緒に映像を観ながら進めています。




ー分析部門以外にはどのような役割があるんでしょうか。

清水監督
SNS部門もあります。ここはすごく頑張ってくれています。新入生においても、今までは4月で入学してから集まってくる感じでしたがSNS担当が頑張ってくれたおかげで事前に連絡をもらうこともありました。




ー分析面やサッカーのプレー面だけが主体的なのではなくて、チームの広報面も含めて主体的に取り組まれているんですね。

清水監督
そうですね。やっぱり社会に出た時に重要な考え方ですよね。人に言われる仕事もありますが、何もない中で何かを作り出すということはすごく大事だなと思っています。それに対して自分達で考えたり行動を起こしたり主体性を持っていないと難しいと思うのでそこを重んじて練習も勿論のこと、ピッチ外でも働きかけています。







ートレーニングについてもお聞きしたいのですが、青学流のこだわりなどはありますか?

清水監督
青学ならではの攻守に攻撃的なサッカーをするために、パス&コントロールとポゼッション・トランジションは特に重視しています。マインドとして自分(たち)が攻撃的なサッカーをしたい→だからボールが欲しい→そのために守備も頑張る→守備でボールを奪ったら更に出ていく…。

「いかに攻撃時間を長くし守備時間を短くするか」という攻守に攻撃的なサッカーを目標にしてやっています。トレーニングの中ではボールを扱う時間を多く取り入れています。




ーこういうコンセプトは新体制になる際はどのように引き継がれているんですか?

清水監督
私は常にコンセプトを目に見えるような場所に張り付けています。今はなかなか室内でミーティングができないので、特に新1年生はグラウンドベースで私自身がまず選手に話をしています。コロナ禍でなければミーティングの時間を作りますが今は難しいので、コンセプトは常に可視化して実践しながら伝えていますね。

落とし込みというところで、1年生のスタート時は「攻撃ではこうしてほしい」など言葉とプレーを共有して実践しながら落とし込みしています。




ーSPLYZA Teamsを使う前から映像を活用していましたか?

清水監督
重要性は感じていました。私が切り取ったり、見たりしていました。記憶は嘘つきますよね…プレーしていた時の感情と客観的に見た時の印象で全然違うことって大いにあって、たとえば「今日の試合全然ダメだったなー」と思っても映像で見ると「思ったより悪くないな」って思うこともあります。

なので、映像は重要なんですけどそれをどういう風に力に変えて活用するかは悩んでいました…私自身が見て編集すると、選手への押し付けになっちゃうんですよね。そこで悩んでいました。




ー今まではスタッフ陣で映像分析されていたんですね。

清水監督
そうですね。当時は、「俺の考え方はこうだからこうすべきではないか」といった映像が多く、「学生自身の考えがはわからない…」という状態でした。

この様な状況だと、相手との不具合や思い通りにプレーができなかった時にやはり責任転嫁するようになり良い成果は得られなくなりますよね。勝敗の責任はもちろん私にあるのですが、プレーや考えに対して責任を持って判断していくのは選手自身なのでその部分が足りていなかったと思い感じはじめました。

SPLYZA Teamsを活用することで、選手自身が責任を持って考え判断しプレーする。その様な習慣が身に付き、責任転嫁ということがなくなりはじめましたね。







ー具体的にはどのように活用しているんでしょうか。

清水監督
攻守/セットプレー/切り替えなど5局面を切り取って分析部門が1人当たり10分くらいで分析しています。直接会わずともミーティングできるので、コロナ禍でも活用できました。あと私がスマートフォン1つ持っていれば、グラウンドで「ここのセットプレーさー」とリアリティ持って解説できるのがいいですよね。




ー導入の決め手はやっぱり選手が主体的に取り組めるというところですかね。

清水監督
そうですね、そこが一番です。与えられたものではなくて選手が自分達で考えて準備することが重要だと思っています。使い始めて、一方通行になっていないというのは大きな変化ですね。




ー”双方向”の取り組みは重要ですよね。

清水監督
はい。監督がビジョンを示すのは当たり前でそれに対して「わかりました」では足りないんですよね。私の想像や戦術を超えていかないといいプレーはできないと思います。「監督の思いはわかりました、でも今の状況ではこうした方がいいと思います」ここにリスクはありますが、このリスクを選手もスタッフも楽しむという考え方が重要だと考えています。




ー選手同士の会話の変化はありますか。

清水監督
全然違いますね。選手それぞれの考えなので枝分かれしていきますが、必ず幹は共有しているので、そこから「このプレイヤーは左利きだから~」などかなり細部までSPLYZA Teamsを通して波及して会話しています。

去年はメンバー以外の学生が分析に関わっていたのですが、今年はより自分達のプレーに関わって欲しいので、トップチームのメンバーでSPLYZA Teamsを使うように変えました。今は進化して、分析部門がSPLYZA Teamsでシーンをピックアップして、そこから読み取れたことを紙ベースで言語化してまとめています。




ー素晴らしいですね。選手の皆さんの主体性に驚きました。最後に目標を教えてください。

清水監督
42年ぶりに落ちた都リーグから1年で関東リーグに復帰しましたが、いつも通りの居心地のいいところにい続けるでいいのかなと...。やっぱり関東一部に常時いるというチームにしたいです。

そのために今年は「関東一部リーグに昇格」が目標です。青山学院大学サッカー部全員がここを目指して、今必死に取り組んでいます。




ーありがとうございます。ぜひ関東一部昇格を目指して頑張ってください。