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【野球×数字×映像】環太平洋大学硬式野球部・小幡晋作さん&山上大翔さん優勝インタビュー

2020.12.09 written by SPLYZA Inc.

令和2年度中国六大学野球秋季リーグ戦で、2季ぶり8度目の優勝を果たした環太平洋大学硬式野球部。インタビューに答えてくれたのは、IPUスポーツアナリストチーム「Team of Sports Analyst for IPU《呼称:TSA(ティーサ)》」に所属し学生コーチとして分析を担う小幡さん(3年)と、学生コーチの山上さん(2年)です。開幕7連勝から2敗を喫したときのお話や、数字やデータと映像をかけ合わせた活用方法など、色々とお話を伺ってきました。なお、インタビューはリモートにて実施しております。



ー優勝おめでとうございます!まずは大会を終えての率直な感想を教えてください。

小幡さん:
今シーズンは春季リーグが開始直後になくなってしまい、秋季リーグもあるのかないのかを含めて不安が沢山ありました。実際開幕しても、ここまで試合が全くできていない中でのリーグ戦だったので、むずかしさや、本当にできるのか焦りがありました。不安が大きかったです。
山上さん:
僕も同じような意見です。新型コロナウイルスの影響で、通い生が練習に参加できなかったときもあり、今年は寮生中心のチームになってしまったのですが、今回のリーグ戦のメンバーには通い生も何人か入ってました。練習から学生コーチ、指導者、選手一同、全員が頑張って、優勝できたと思います。




ー本当におめでとうございます。今回のリーグ戦は9月5日の初戦から開幕7連勝し、最終的には8勝2敗で優勝を手にしました。リーグ戦通しての印象をお聞かせください。

小幡さん:
リーグ戦自体はチームとしても学校としても、優勝して当たり前という感じでした。選手のプレッシャーにもなっていたと思いますし、そんな中で初戦を勝てたことは大きかったです。そこからどんどん勝ちを繋げていけました。特に前半戦はピッチャーがもの凄く頑張ってくれました。初戦の3失点以降は0点や1点で、防御率0点台と数字にも出ています。

特に7連勝中は僅差のゲームでも安心して見ていられました。実は僕自身、教育実習と重なってしまい、あまり現場で見ることはできませんでした。でも、チームのインスタライブなどを見ながら僅差のゲームでも「1点取ったなら大丈夫でしょ!」と安心して見れていました。

そんな中で7連勝後の1つ目の負けは予想外でした。気の緩みがあったと思います。7戦目で戦った東亜大学にはリーグでも強いピッチャーがいるのですが、そこでコールド勝ちしました。あれだけ良いピッチャーにコールドで勝って、次の日負けることは思っていなかったですね。また7連勝したあたりから全勝優勝もチラついてきました。そのプレッシャーもあったと思います。


ーその2つの敗戦に関して山上さんはいかがでしょうか。

山上さん:
東亜大との2戦目は、打てなかったのもあるのですが、選手たちが審判のジャッジに対応しきれかったの原因になったかと思います。僕も上からビデオ撮って真正面から見ていたのですが、思うところはありました。しかし、そこは僕らが冷静に対応しなくてはいけない部分だと思っています。また2つ目の負けとなった吉備国際大学との第1戦ですが、そこのある投手は球速は遅いのですが「まっすぐだと思ったら曲がった!」みたいな、手元で変化するというなかなか手強いピッチャーでした。また、左ピッチャーで練習していたものの、試合では対応できていなかったのも課題としてありました。
小幡さん:
ピッチャー陣が振るわない、踏ん張りきれない試合は厳しかったですね。ただ相対的に見てピッチャーが本当に頑張ったリーグ戦であることは間違いないと思ってます。


ー投手陣が頑張りが光ったんですね!強いて挙げるとすればどの投手でしょうか?

小幡さん:
まずは2年生の安藝智哉というピッチャーですね。最終的に4勝を上げ、ベストナインにも選ばれました。1〜3戦目は無失点か1失点で長いイニングを投げてくれて、安定感もありました。本当によく頑張ってくれました。

ただ、もちろん結果的に見れば安藝ですが、最終戦を投げた3年生の大石も最後に意地を見せてくれました。開幕戦で先発しているのですが、吉備国際大との1戦目が安藝になり悔しい思いをしました。しかし、最終戦で勝ったほうが優勝という中で、先発して意地を見せてくれました。8回まで2安打くらいしか打たれず、過去最高、大学生活1番のピッチングを優勝決定戦でしてくれたと思います。

他にも中継ぎ陣でいうと、最後の最後に投げた辻選手。最終戦9回ノーアウト満塁、勝ったら優勝、負けたら終わりという局面で投げに行って、フォアボールも出さず、きっちりストライクゾーンで勝負しました。2点取られましたが、打ち取った2点なので、その活躍は凄かったです!

辻選手はいままで投げる機会がなく、少ないチャンスの中でうまく成績が残せず悩んでいました。そのなかでこの冬に自分自身が頑張ると、しっかりトレーニングして、ケガも乗り越えての登板は素晴らしかったと思います。




ーありがとうございます。分析という面ではいかがでしょうか。

小幡さん:
僕らとしての反省点は、負けた8戦目の前の7戦目にあります。第7戦にフォーカスしすぎたと思っています。第7戦に当たる東亜大学のある投手を打ち崩すことばかり考えていました。下関で東亜大学とやることにあまりいいイメージがない上に、その投手はタフでどんどん投げてくる素晴らしいピッチャーで、いままでもずっと負けていました。そのいつもやられるピッチャーに対して9点も取って勝てたあとに東亜大学との連戦で負けました。2戦目はあまりみんな頭になかったと思うのですが、そういうときこそ自分たちがデータを貯めて楽にしてあげられる、そういうものを今後提供してあげることが出来たらと思いました。


ー先ほど山上さんから撮影のお話もありましたが、映像はどのように撮影しているのでしょうか。

山上さん:
リーグ戦は全て球場に行き、カメラと球速ガンを設置します。基本的にキャッチャーの真正面、バックネットの真正面から撮るようにしていました。また撮影しながら、一球一球に対して球速やどこに打ったかを声を吹き込んでいました。これをベンチに入らない選手や他の部員に協力してもらいながら一日3試合やりました。後半になってくると噛んでしまったり、ストライクなのにボールと言ってしまうミス出てきました。ただ、ハードではありましたが、試合が終わったあとに「撮ってくれてありがとう」と言ってくれる選手もいます。それで僕らとしても頑張れました。


ー野球は1球1球の結果を吹き込むんですね。

山上さん:
SPLYZA Teamsのタグ付けをするときにのためにも吹き込んでました。また撮影位置もあとでタグ付けすることも考え、コースや球種が分かる画角にしていました。


(撮影イメージ)


ーSPLYZA Teamsで映像を活用する流れを教えていただけますか。

山上さん:
まずは試合の動画を編集してYouTubeにアップし全体LINEで共有します。その後にSPLYZA Teamsにアップロードして、イニングと攻撃か守備、裏か表かのタグを全て付けてもらいます。ピッチャー、キャッチャーが分担して各イニングのタグ付けをして、グループLINEで報告してもらいます。それを僕がミスがないかチェックして、最後に他のマネージャーにスプレッドシートでグラフ化、レポート化してもらってました。それを元に試合前ミーティングで映像を活用するという流れです。


ータグ付けは選手が手分けしてやっていたんですか?

山上さん:
そうですね。基本的に一球一球に多くのタグをつけていくので、1人で短時間ではできません。各イニングを分担してやってもらっていました。

試合のない週がないときは、すぐ取り掛かってもらい、水曜日までに終わらせてもらうようにしていました。試合がない週も結局その週の土日にミーティングするので、水曜日、木曜日あたりでお願いしてました。授業が始まって課題もあるから難しいという声もありましたが、選手は時間を作って頑張ってくれたと思います。(山上さんはここで退席)


ー小幡さんはこのサイクルの中でどのように関わっていましたか。

小幡さん:
教育実習もあり時間的に厳しく、あまり関われませんでした。土日は休みなので、土日に前週の試合の映像やデータを確認したりしていました。レポート用のスプレッドシートも、自分がこういう感じでやるよ、と他のメンバーに伝えただけだったので、僕がレポートを書き出して送る週もありました。スプレッドシートの取り扱いなどの専門的な部分をリモートでサポートした感じです。野球のレポート用のスプレッドシートはこのリーグ戦が初めての運用できるときだったので、自分が居れないという不安もありました。一週目は少しは関われましたが、教育実習もだんだん授業が増え、関われなくなりもどかしさもありました。


ー野球のレポート用のスプレッドシートは他のスタッフの意見もいただきつつ、小幡さんと今年の3月に協同で作らせていただきました。現在はどのような形で活用されていますか。(レポートはこちら→https://bit.ly/SPLZ_baseball_report)

小幡さん:
本当に初めのころ、それこそ3月あたりは自分ひとりで撮影・編集・タグ付けと全部やっていて、1試合につき3時間くらい掛かっていました。流石に時間がもったいないということで、周りに協力してもらうことになり、野球はバッテリーが中心なので、ピッチャーとキャッチャーにタグ付けをお願いすることになりました。いまのところは選手11人態勢です。その中でも役割分担しています。

タグ付けは1つ目のタグを決めてあげる係と、ちょっとした情報、右打ちなら右打ちだけをダーと打っていけるような簡単な仕事を1試合する係がいます。そして、1球ずつ見て詳しい情報のタグを入力してもらう係がいます。そこはイニングで区切ってやっています。今は1イニングあたり15分〜20分くらいかかってます。難しかったり、めんどくさい作業でもあると思うのでうまくいかないときもありました。

これからの改善策としては、もっと人数を増やして、自分のプレイした部分にタグを付けてもらうようにしていけたらと考えています。1試合で18人くらいはゲームに出ますし、自分の関わったプレーならコースはどの辺だったとか、分かった状態でタグ付けできると思うので今より簡単になると思います。


(投手スタッツレポート No.1)


ータグ付けを分担し、スプレッドシートでレポート化した後、どのような形でチームに見せていたのですか。

小幡さん:
まずはLINEグループで相手ピッチャーのレポートを共有してました。一番欲しい情報になるので。その後、ミーティングで指導者には紙で見せていました。

今年は春季リーグも途中で終わったため、データの蓄積もなく、ピッチャーによっては10球分のデータしかなく、傾向が見えないなど難しさがありました。カウント0-0のデータなら5人に投げたら5球分のデータが出てきますが、他のカウントに関しては必ずなるとは限らないので、1球分しかデータがなく、あるコースが100%と出てしまいました。今後はこのデータの蓄積と、いままでは相手チームばかりだったのですが、自チームのデータもタグ付けして集めていければな、と考えています


(投手スタッツレポート No.2)


ーミーティングはどのような形でやっていましたか。

小幡さん:
試合の前の週の土日や、移動があれば試合前日のホテル、移動がなければ木、金の練習後に全員でやっています。パソコンをテレビに繋いで、スプライザのタグを使って映像を見てます。選手には映像を見て感じてもらいつつ、自分達からはレポートという形で客観的な数字、データを提供してます。今後はそれをどう組み合わせていくかも考えていきたいです。最後には首脳陣からこうしていこうという話があります。

YouTubeだと長い試合をずっと見ていかなきゃならないのですが、SPLYZA Teamsだと映像とタグが紐づいているので、見たいピッチャーのタグをタップすればそこばかり流せます。また本来であれば動画編集ソフトで切り貼りするところですが、それをしなくていいですし、急に違うピッチャーを見たいとなれば、すぐにタグをタップするだけで見られる。これは助かってます。スプライザならミーティング後に各自で見てもらうこともできるので便利です。


ーありがとうございます!チームのデータ、レポートに対する反応はどうですか。

小幡さん:
野球はデータが大好きなスポーツです。監督からも「野球は確率のスポーツだ」と言われてます。実際、打率や防御率など数字がたくさん出てきて、多くの確率のなかでプレーしています。映像とタグが紐づいていて、そのタグが確率に反映されて、対右対左のデータや投球コースなどが数字として出てくるので、選手も喜んでくれています。客観的な視点でも見れています。


ー他の競技よりデータを受け入れる下地ができてそうですね!

小幡さん:
そうかもしれません。少年野球のときから確率と隣り合わせで身に沁みついているので、何%の確率で何が来るとかを見せると、俺はここ打ててる、打ててないとデータを見比べて競い合ってます。

タグ付けは「めんどくさい」「課題もある」「なんでこんなことやりはじめてん」と最初は言われました。でも、そのタグでスプレッドシートからレポートを提供したら、意外に喜んでくれて一気に笑顔になってくれました!タグ付けした先には得るものがあるので、こちらもお願いできました。今も渋々かもしれませんが、やってくれているので感謝しています。



(投手スタッツレポート No.3/No.4)


ーSPLYZA Teamsを今年活用してきて、今後どのように使っていこうと考えていますか。

小幡さん:
まずは一人一人の負担を少なくして、早くデータを出していけるようにしたいです。その上で目標は全試合タグ付けです。相手チームだけでなく、自チームもそうですし、公式戦だけでなく、紅白戦や練習試合も含め、年間通して分析していくのが最終的な目標になってくると思います。

それにまだ使いこなせてないと思ってます。大学野球ではデータ分析の歴史も浅く、プロがすることというイメージがあります。せっかく大学全体でSPLYZA Teamsを導入し、分析チームを立ち上げたので他の部活とも連携を取れたらと考えています。そして、もっと興味を持った人がこの野球部の活動に関わってこれるような体制を作って、素早く、面白いデータを提供してあげたいです。モチベーションに繋がり、勝利に繋がる取り組みをしていけたらなと思っています。


ーありがとうございます。では、最後にチームの目標をお願いします。

小幡さん:
チームの目標は「日本一」です!中国地区では勝つことが当たり前のようになってきつつあるので、今後連覇、連覇といけるようになり、全国の舞台に行けば日本一を狙えるように頑張っていきます。また去年就任した監督が最初に「3年以内に日本一」という目標を掲げ、来年で3年です。春の選手権になるのか、神宮になるかわかりませんが、日本一を目指していきます!


(最終戦は現地に行けた学生コーチの小幡さん)


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