【高校サッカー選手権初出場】佐賀県立神埼高校女子サッカー部・相島哲治先生インタビュー

2024.12.11 written by SPLYZA Inc.

12月末より開幕する「第33回全日本高等学校女子サッカー選手権大会」に初出場する神埼高校女子サッカー部。指導法やチームでの取り組みについて相島先生にお話を伺いました。



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ー佐賀県高校女子サッカー選手権大会優勝、選手権本戦出場おめでとうございます。佐賀県大会を振り返っていかがでしたか?

相島先生:
佐賀県の場合、高校はチームが4つしかないので、他県のチーム数が多いところと比べると、うちが勝ち上がるのはある意味当然と言えるかもしれません。ただ、実際に試合をしている選手たちは緊張していたようで、内容としてはあまり良くありませんでした。「もっとやらなきゃいけなかったよね」という話をしています。



ー今年から選手権出場の条件が変わったと聞きました。

相島先生:
そうですね。九州に限らず、全国的に高校サッカー選手権が各県の1位代表のみが出場するというシステムに変わりました。






ーなるほど。大会期間中もSPLYZA Teamsを積極的に活用されているようでしたが、導入前に感じていた課題について教えていただけますか?

相島先生:
映像の撮影や切り取りは当たり前に行っていましたが、その作業をすべて私が担当していたため、動画を使ったミーティングの頻度が限られていました。視覚的に選手に理解させる機会が少なかったことが大きな課題でした。



ーSPLYZA Teams導入後、チームや選手個々人、指導方法にどのような変化がありましたか?

相島先生:
チーム全体では、映像で状況を共有できるようになり、トレーニングの成果が試合で出ているか確認しやすくなりました。映像を活用することで、改善点が明確になり、効率的に改善サイクルを回せるようになりました。

選手個人では、発言や具体的なコーチングが増えました。SPLYZA Teamsへの描き込み内容の質が高い選手は、試合や練習での行動にも積極性が見られます。

指導者としては、映像を切り取る作業が減り、練習メニューの準備や合宿のプランニングに時間を割けるようになりました。






ー「選手たちの描き込みがプレーや発言に反映されていると感じる」とのことですが、新たな発見もありますか?

相島先生:
具体的な振り返りをしている選手は、試合中や練習中にも考えた行動をとる傾向があります。一方で、表面的な描き込みの可能性もあるため、本当に理解しているかの見極めが指導者としては重要だと思っています。



ーSPLYZA Teamsは具体的にどのように活用されていますか?

相島先生:
基本的には週末に行った試合を振り返る形で活用しています。土日の試合後、月曜日までに選手自身が気になるプレーを1つか2つ選び、振り返りの手順に従ってタグ付けします。その内容を私がチェックしたり、サッカーノートに書き出して提出させたりしています。

映像への描き込みは、「アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方 ~カオスな環境に強い「頭の良さ」とは~[仲山進也 (著) ]」の内容を参考に、アレンジした4つのポイントを基にそれぞれ振り返りをしています。

火曜日には、ポジションごとにグループ分けし、チームの課題を解決するためのトレーニングメニューを選手自身に作らせています。また、合宿やミーティングの際には、試合映像をランダムに選び、選手にその場で解説させる練習を取り入れています。






ー選手の描き込みを拝見したら、4つのポイントがわかりやすく振り返りされていましたね。合宿では「解説する練習」に取り組まれているとのことですが、どのように実施しているのですか?

相島先生:
例えば、試合映像を一時停止し、「このプレーで何を考えたか」「どのように観て考え、判断して行動したのか」を選手に説明させます。これにより、自分の言葉でプレーを振り返る能力を育てています。



ープレゼンや言語化トレーニングを通して、選手たちにどのような変化が見られましたか?

相島先生:
最初は固まってしまう選手も多かったですが、回数を重ねると流暢に話せるようになり、話の順序を立てて伝える力がついてきました。例えば、話の冒頭で結論を述べ、その後に根拠や理由を説明するという構成を意識するようになりました。また、言葉選びや表現の工夫をし始める選手も出てきています。人前で話すことへの度胸もつき、試合中のコミュニケーションやチーム内での意見交換もスムーズになってきました。



ーただ説明するだけでなく、“伝わるように”という工夫が見られているのが素晴らしいですね。最後に、全国大会に向けての意気込みをお願いします。

相島先生:
初出場の機会をいただき感謝しています。全国大会では、結果も大事ですが、諦めない姿勢や取り組み方をしっかり見せたいです。佐賀県代表としてできることを100%やりきり、見てくださる方の記憶に残るプレーをしたいと思います。