
明大中野高校サッカー部・渡邊友也先生インタビュー
2024.06.25 written by SPLYZA Inc.
2023年度からSPLYZA
Teamsを導入し、普段から積極的にIDPシートを活用した「選手個人の映像での振り返り」という取り組みを行っている、明大中野高校サッカー部の渡邊先生にインタビューを行いました。
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ーSPLYZA Teamsを導入したうえで、IDPシートも併用しつつ活用するようになったきっかけを教えてください。
渡邊先生:
端的に言えば、選手ひとりひとりに「自主性」や「積極性」をより持って欲しいという理由からです。先生やコーチに言われてから理解しようとするという受け身の姿勢ではあまり成長は見込めませんので、そこは何事も能動的に向き合って、どれだけ真剣に取り組んだかが明確にならないと課題解決に繋がりません。
あとは、試合の結果に一喜一憂するのも勿論大事なのですが、「ただ偶然に勝った」「相手が強かったから一方的に負けた」という”何となく”で物事を片付けて欲しくないという私の想いもあります。ハッキリとしたものでなくとも、その要因を自分で探しにいく習慣を身につけて欲しいと思っています。
ー選手の皆さんに”生き抜くチカラ”を身につけて欲しい!という所からなのですね。
渡邊先生:
はい。昨今は勉強さえできれば、良い大学を出れば…という状況では無くなってきたように感じていますし、より個々の「やりぬく力」が求められるようになってきています。つまり、自分のことを客観的に理解して、言語化できないと周囲からも評価されません。
そのような気付きを、生徒たちが大好きなサッカーを通じて学びを得てほしいなと思い、IDPを実践してみようと思った次第です。もちろん、個人個人で温度差や物事の理解度の差といったものもあるので、まだまだ一筋縄にはいきませんが。
ー選手の皆さんも多いので、先生が逐一チェックするのも大変かと思います。
渡邊先生:
そうですね。仰るように100人近くいる部員全員の書き込みに対して、ひとつずつ丁寧にフィードバックを行うのはあまり現実的ではありませんが、逆にある程度選手たちに主体性を持たせて継続できているという点では、今のところ上手くいっていると思います。加えて、各々が一生懸命に取り組んでいることに関しても非常にポジティブに感じています。
ーIDPの取り組みで選手たちの考え方が可視化されることで、監督としての気付きは何かありましたか?
渡邊先生:
選手たちの書き込みで最も多いのが、「試合中に起きた現象」に対して、何かしら描き込みをしているということですね。確かに”指摘のし易さ”という点では理解できますが、サッカーという再現性の少ない競技においては、より「抽象化することの大切さ」を、選手たちに教えていかないといけないなという気付きはありました。
ー実際に映像をみて振り返りはできているけど、そこから”どう解決に導くか”がイメージできていないということでしょうか。
渡邊先生:
はい。全体練習でも同じことが言えますが、個人練習に焦点を置いたときに「何に注力して練習すべきか」という部分に着目して、選手たちも書き込みができるようになると更に良くなるかと思います。選手の理解度や言語化能力はさまざまなので、選手それぞれのレベルに合わせた指導を行っています。
ー指摘しているポイントの前後、サッカーでいうところの「局面」全体を捉えて考えられるようになると更に良くなりそうですね。
渡邊先生:
そうですね。ただ「全てにおいて選手自身が解決に導くことが可能」とは思っていませんので、例えばポジショニングを修正すべきであれば、それをトレーニングに組み込んであげたりするのは監督である私の役目かなと。
勿論、ありとあらゆる要因がありますので、練習で全てをカバーするのは現実的ではありません。そんな中でも、選手たちが抱えているボトルネックを、可能な限り普段のトレーニングでクリアにして、ゲームで実践できるようになればと思います。
ーそれでは、SPLYZAへの要望などあれば教えてください。
渡邊先生:
アプリを操作する目的が入れ替わらない程度に、選手たちの競争心をより高める仕組みはあっても面白いかなと思います。もちろん物量に対してだけでなく、書き込みに対しての質(理解度や評価など)も可視化できると嬉しいですね。そのへんはバランスが難しいとは思いますが。
ーAIを活用したアシスト機能といったものも開発中ですので、ご期待いただければと思います。それでは最後に、先生としての今後のビジョンやチームの目標をお聞かせください。
渡邊先生:
選手たちには常に自分と向き合って、彼らが全力で取り組めるような環境を、監督としては今後も準備し続けてあげたいなと思っています。SPLYZA
Teamsはそれを実現するためのコミュニケーションツールだと思いますので、これが選手たちの”人間力”を伸ばしていくのが理想的です。
繰り返しになりますが、淡々と何も考えずに普段からサッカーに取り組むのではなく、常にフレッシュな姿勢で全力で向き合って欲しいと思います。選手たちには、サッカーを通して”新しい自分”を発見をしてくれればと強く願っています。チームとしては、都大会で少しでも上に勝ち進むことを目標に、これからも頑張って行こうと思います。
