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東洋大学アイスホッケー部・鈴木貴人監督インタビュー

2019.07.17 written by SPLYZA Inc.

昨季、選手権を優勝しチームとしても10年ぶりとなるタイトルを獲得した東洋大学ホッケー部。チームを率いる鈴木監督に、現在の映像活用などについてお話を伺いました。

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ーまずは選手権優勝おめでとうございます。久しぶりのタイトル獲得ということで監督としても手応えを感じていらっしゃるのではないでしょうか。

鈴木監督:
ありがとうございます。東洋大学アイスホッケー部としては実に10年ぶりで、通算6回目の優勝です。年間を通して春の関東選手権と秋の関東リーグ戦、そしてインカレと合計で3つの大会がありますが、2013年のシーズン途中に私がこのチームに就任してから初のタイトル獲得になります。

ー監督として、選手権優勝に到るまでどのようなチームづくりを意識されましたか。

鈴木監督:
指導するのは学生なので、出来るだけ平等に選手を扱うという部分はベースにありました。もちろん早く勝ちたいとは思いましたが「一度勝てるようになったら継続できるようになる」チーム作りを心がけました。私としても初めて学生スポーツの指揮を執るにあたり、1年ごとにメンバーが大幅に変わるというのは予想以上の難しさがありましたね。少し時間はかかりましたが、今は十分な手応えを感じています。

ーアイスホッケーの場合は年末にシーズンが終わって、新チームはいつから稼働になるんでしょうか。



鈴木監督:
新入生は3月の中旬あたりから徐々に合流して、4月の試合から試合に出場し始める感じですね。1月〜2月というのは次のシーズンに向けて上級生だけでの体力づくりがメインです。ただ年を跨ぐごとに完全にゼロになる訳ではなく、チームの特徴というか、色は年を重ねるごとにはっきりしてきたように思います。

ーおおよそで良いのですが、新チームになるタイミングだと前シーズンのレギュラーから何人ほど入れ替わるのでしょうか。

鈴木監督:
去年は4年生が10人いたので、その人数分入れ替わったことになります。うちのチームはスター選手というか飛び抜けて能力値の高い選手が大勢いる訳では無いのですが、チームスポーツとして適性の高い選手が多く、どちらかと言えば「総力戦で勝負する」というスタイルなので、そういう意味では4年生が抜けた穴というのは今の所はないですね。

ーこれは私の興味レベルの話なのですが、サッカーやバスケなどと同様に、アイスホッケーもトーナメント形式だと番狂わせは良く起こるのでしょうか。

鈴木監督:
うーん。基本的にある一定以上のレベルであれば、いわゆる「番狂わせ」はあまり起きないかもしれませんね。もちろんリーグ戦では全然勝ててない場合でも、同じシーズンに1発勝負のレギュレーションで対戦してアップセットが起こることはたまにあります。

ーなるほど。リーグ戦については入替戦があるようですが、監督が仰ったように「実力差が顕著に出る」ということは、トップリーグの顔ぶれが何年も変わらないことも起こりうるのでしょうか。

鈴木監督:
はい。対戦相手が何シーズンも変わらないということは当然あります。そう考えてもやはり、アイスホッケーは番狂わせが少ない競技であるように思います。


※東洋大学アイスホッケー部で利用されているタグ一覧

ー試合映像の活用について

鈴木監督:
映像活用については選手達に考えさせるという点ではかなり有用性が高いですね。アプリ導入後はより選手の意識が大きく変わっていると思います。SPLYZA Teamsを使って選手がコーチ陣にプレゼンをするというのも日常的に行なっています。

ー選手権優勝にはお役に立てましたでしょうか?

鈴木監督;
もちろんです。大いに役に立っています。やはりその時に欲しい映像が、PCだけでなくスマホでもすぐに引っ張り出して確認できるというのは便利です。コーチだけでなく、チーム全員で共有して問題解決に活用できるのは画期的ですね。

ー今は実際にどのように使われていますでしょうか?

鈴木監督:
自チームの映像を編集して選手達のプレーを抜き出す(タグ付けする)為と、その映像を持ってコーチングスタッフもしくは選手がプレゼンするという感じですね。該当するプレーについて議論するというか。あとは「システムルーム」という部屋に動画をためこんで、試合中によく使うシステムのみを集めたプレー集のような物を作って共有するようにしています。私はよく書き込みをしていますね。あとは対戦相手の研究としてスカウティング用の映像もアップしたりします。

ータグ付けからミーティングまでの流れを教えてください。

鈴木監督:
チーム内に「分析リーダー」がいるので、選手のタグ付けのマネージメントやミーティング時間の調整を行なってもらっています。大体1試合で30個ぐらいのGood/Badタグが出てくるので、それらの定性評価の内容を精査します。そしてミーティングの直前に共有する内容をコーチ陣に事前確認するような流れです。

ーシーズン中の1週間のスケジュールはどのようなイメージでしょうか。



鈴木監督:
シーズン中は週末に試合があるのですが、例えば日曜日の10時か17時に試合があった場合は1時間後にSPLYZA Teamsに動画をアップロードします。そして週明けの月曜日のうちに、選手各自の分析作業「誰の/プレー内容/評価(Good/Bad)」をしてもらっています。何時間もかけるものではなく、移動中や学校の空き時間を使って4〜5分でできています。

オフの翌日(火曜日)に選手で集まってグループ(5人1組、4セット)を組んで、定性評価(Good/Bad)についてディスカッションします。時間でいうとおおよそ10分くらいでしょうか。そして次の日(水曜日)、18時に分析リーダーがコーチに事前確認して、その日の19時にリーダーと各グループがコーチにプレゼンと全員への共有を行います。その場合でコーチからのフィードバックも勿論あります。それ自体は30分ぐらいでしょうか。

タイムスケジュールとしてまとめると
・火/水  …基本練習、コンディション調整
・木/金/土 …出てきた課題と改善点からメニューを組み立てる
このようなスケジューリングになっています。

ー丁寧にありがとうございます。ここまで綿密に行われているとなると、全体ミーティングでの選手とコーチ陣とのコミュニケーションも増えてきたのでしょうか?

鈴木監督:
認識のすり合わせというか、選手からコーチ陣への確認はかなり増えました。「次の対戦相手の場合だとおそらくこういう手を使ってくるので、このシステムを採用するのはどうですか?」と言った感じで。そういう意味では選手がかなり能動的に考えながら普段のトレーニングに向かうことができたり、試合中の判断が良くなったりという良い影響が出ているように思います。

ー最後に、今期の目標をお聞かせください。

鈴木監督:
まずは1戦1戦をしっかり戦うことですね。それを踏まえた上で各種大会を優勝、年間で3冠とるぞ!という気持ちでやっていきます。特にリーグ戦は毎試合安定した結果を出す必要があるので、そこでもしっかり上位にとどまり続けたいです。