Sports Analytics Lab


NBAでお馴染みのFour Factorsを、Bリーグデータで算出し、統計をとって5段階にランク付けしてみた。

2019.04.17 written by Gaku Morita

ディーン・オリバー氏によって提唱された、オフェンスを評価する指標のFour Factors。既にNBAではお馴染みのスタッツであるこの数字ですが、Bリーグでどのような数字になっているのかを、増田林太郎氏が提供するbleaguerを使って算出し、5段階にランク付けしてみました。

Four Factorsは、バスケットボール版のマネーボールとも言われる「Basketball on Paper」の著者で、NBAで初めて統計学者として雇われたディーン・オリバー氏によりオフェンスの指標として提唱された数字です。NBAで広く知られており、公式ページにもこの項目が存在します。


NBA公式ページ


具体的には、TOV%、eFG%、OREB%、FTRの4つの数字のことを指します。それぞれ、ターンオーバー、シュート、オフェンスリバウンド、フリースローについての指標で、一般的なスタッツから計算できます。

ターンオーバー : TOV% = TOV / (FGA + FTA x 0.44 + TOV)
シュート:eFG% = (FG + 0.5 x 3P) / FGA
オフェンスリバウンド:OREB% = ORB / (ORB + OppDRB)
フリースロー:FTR = FTA / FGA



Bリーグ開幕からの試合スタッツは、増田林太郎氏が提供するbleaguerで網羅されています。このデータから、Bリーグの過去試合のFour Factorsを算出することが可能です。

bleguer(ビーリーグアール)のデータ


計算されたFour Factorsについて、今回はBリーグの過去2シーズンのB1、B2レギュラーリーグの合計2160試合のデータを集計し、平均と標準偏差を算出しました。


ターンオーバー指標のTOV%の平均は14.2%。標準偏差は4.4%。


得点の重みを加味したシュート指標のeFG%、平均は48.6%。標準偏差は7.7%。


オフェンスリバウンドの指標のOREB%、平均は28.9%。標準偏差は8.3%。


フリースロー獲得の指標のFTR、平均は0.259。標準偏差は0.115。

これらのデータを正規分布として捉え、標準偏差を使い「68-95ルール」を適用して以下のように5段階にランク付けします。


Four Factorsに関し、それぞれの値を表にまとめると以下のようになります。


こちらの表がBリーグデータを使って、Four Factorsを算出し、ランク付けした結果です。そして、この数字を使って2017-18シーズンのBリーグチャンピオンシップファイナルのFour Factorsを見てみました。


85対60でアルバルク東京の勝利に終わったこの試合ですが、1Q~4Qを見て、統計的に大きな問題とされる数字は、千葉ジェッツの2QのTO%、3Q、4QのeFG%、アルバルク東京の3QのFTRです。負けた千葉ジェッツの方が問題とされる数字が多かったことがわかります。また、千葉ジェッツに最初に起きた問題は2QのTO%でした。ここでは、ターンオーバーから失点というシーンが数多くあったことが想像でき、ここから流れがアルバルク東京に傾いたと予想できます。

このように、Four Factorsを計算して、統計的に問題となる数字を把握し、そこから実際に起きた現象を想像、予想することが可能です。本当にそうだったか?は映像で確認する必要があると思います。


以上が、Four FactorsをBリーグデータで算出し、統計をとって5段階にランク付けした結果です。数字を使って問題点に素早くたどり着ければ、試合の分析作業の効率化に繋がるはずです。一度Four Factorsを使って、試合の問題点把握に活用してみてはいかがでしょうか?


おまけ:Four Factors計算、ランクによる色分けフォーマット → スプレッドシート (“ファイル”→”コピーを作成”で自由に編集できるようになります)

プロフィール:森田岳 (Gaku Morita) 分析エバンジェリスト

自動車業界出身で社会人サッカーチームの運営/監督/選手経験を持つ。サッカーに関するスタッツ・客観的なデータをこよなく愛し、戦術ボードアプリ「Tactical Board」の開発者でもある。尊敬する指導者はマヌエル・ペジェグリーニ。

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