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【女子ワールドカップ2019】データで振り返るグループリーグ

2019.06.24 written by Gaku Morita

6/7に開幕した女子ワールドカップフランス大会。現在はグループリーグが終了し、決勝トーナメントが始まっているこの大会ですが、大会データは随時StatsBombにて公開されています。今回はその公開されたデータの中からグループリーグ全36試合(各チーム3試合)の「得点」「失点」「シュート」「ドリブル」「縦パス」「ロングパス」「クロス」についてチームごとに集計し、グループリーグを振り返ってみました。

▼StatsBombデータ


まずは得点データです。総得点数はアメリカが18得点でダントツトップ。タイ相手に13-0で勝利したのが大きく影響しています。多く得点しているチームがGL(グループリーグ)突破を決めている傾向にある中で、中国は3試合を通じてたった1得点でグループリーグを突破しています。日本は2得点と寂しい数字ですが、見事グループリーグを突破を果たしました。

▼総得点数


アメリカ x タイ(13-0)




続いて失点データです。3試合を通じて、ドイツ、アメリカは無失点でグループリーグを終えています。日本は3失点とまずまずの数字。中国は1失点で、1得点と奮わなかった攻撃ではありますがグループリーグ突破しています。タイは20失点で、最も失点喫して敗退したチームでしたが、初めてのゴール後のシーンは印象的でした。

▼総失点数


タイ初ゴール後のシーン



次はシュートデータです。1試合あたりの平均値を算出しています。総得点数が多かったアメリカがトップの数字でした。世界No1アタッカーと呼ばれるアレックス・モーガン選手の存在は大きいと思われます。韓国はシュート数は15ですが3試合を通じてわずか1得点で、勝ち星を得ることができずにグループリーグ敗退に終わりました。

▼1試合あたりのシュート数

アレックス・モーガン選手



こちらはドリブル数の1試合平均値です。トップはスペイン。その次にジャマイカという数字です。ナイジェリア、カメルーン、南アフリカは上位に位置しており、アフリカ勢はドリブルが多い傾向にあると言えそうです。

▼1試合あたりのドリブル数



こちらは1試合あたりのショートの縦パス本数です。トップはオーストラリア。その次にアメリカ、イングランドと強豪国が上位を占めています。日本は第6位と、ショートパス主体で攻めるスタイルが数字に現れています。一方で、カメルーン、ナイジェリア、南アフリカのアフリカ勢はショートの縦パスが少ない傾向です。

▼1試合あたりの縦パス



そして、1試合あたりのロングパス本数です。トップはカメルーン。南アフリカ、ナイジェリアも上位とアフリカ勢はロングパス、ドリブルが多くフィジカルを生かした戦いが主軸。一方、日本はこの数字が最下位です。フィジカル的に劣る日本は、ロングパスはあまり使わずに戦っていたことが数字に現れています。

▼1試合あたりのロングパス



こちらは1試合あたりのクロス本数です。トップはアメリカで平均21本。アメリカはシュート数もトップで、クロスからシュートというのが一つの攻撃パターンに見えます。また、得点数とクロスの上位4チーム(アメリカ、オーストラリア、フランス、スウェーデン)は同じでした。

▼1試合あたりのクロス



最後に「シュート」「ドリブル」「縦パス」「ロングパス」「クロス」を足し合わた平均値です。1試合あたりの攻撃アクション数として捉えることができる数字です。最も多い手数でアグレッシブに攻めていたのは、グループリーグで18得点したアメリカで、その次にスペインでした。スペインは攻撃アクション数は多いものの、グループリーグで3得点と、手数をかけていた割には得点できていないチームでした。


▼1試合あたりの攻撃アクション数


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▼まとめ グループリーグのデータ集計では、アメリカの攻撃力が数字に現れる結果となりました。また、アフリカ勢はロングボールが多くフィジカル重視の戦い方であること。フィジカル的に劣る日本はロングボールを多用せず、ショートパスで攻め込むなど、チームごとの特徴も数字に現れています。

この結果から圧倒的な攻撃力を誇るアメリカが今大会の優勝候補であることは間違いないと言えます。ただし、アメリカ以外にも、グループリーグ無失点の守備を誇るドイツ、開催国の勢いを持ったフランス、我らが日本、その他のチームにも注目すべきところはあり、決勝トーナメントを勝ち上がり、優勝する可能性は残されています。

6/26(水)の早朝4時にオランダとの試合を迎える日本!まずは気持ちを見せてオランダに勝ってベスト8に進出してほしい!!頑張れニッポン!!

プロフィール:森田岳 (Gaku Morita) 分析エバンジェリスト

自動車業界出身で社会人サッカーチームの運営/監督/選手経験を持つ。サッカーに関するスタッツ・客観的なデータをこよなく愛し、戦術ボードアプリ「Tactical Board」の開発者でもある。尊敬する指導者はマヌエル・ペジェグリーニ。

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