23-24 ラ・リーガ第29節 アトレティコ・マドリード vs バルセロナ: マッチレポート

2024.03.22 written by Daichi Kawano (SPLYZA Inc.)

UEFAチャンピオンズリーグの準々決勝を終え、ラ・リーガに戻ってきた両チーム。アトレティコ・マドリードは来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権獲得を目指し、対するバルセロナはリーグ2位以内をキープするために激突。注目の一戦となりました。


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主力選手を欠いた両チームですが、アトレティコはグリーズマンとコケに代えてロドリゴ・リケルメ&パブロ・バリオス、バルセロナはカンセロとクリステンセンに代えてエクトル・フォルト&フェルミンとそれぞれ若手選手を起用。ラ・リーガの厳しい状況の中で、アカデミー出身の若手選手たちが重要な役割を果たすこととなりました。

新たなコンセプトが中々ハマらないアトレティコ・マドリード


かつての超守備的なスタイルから脱却し、今季は攻撃的なスタイルへと変貌を遂げたアトレティコ・マドリード。この試合でもキックオフ直後からシメオネ監督はハイプレスを選手に徹底させ、高い位置でのボール奪取から積極的にショートカウンターを狙います。

一方、チャビ監督率いるバルセロナは、シーズンを通して課題となっていたプレスへの対応に苦戦します。アトレティコのマンツーマンプレスと連動したカバーリングに試合序盤は翻弄されていたものの徐々にアジャストし、22分にジョアン・フェリックスが起点となり、バルセロナが先制。フェリックスが左サイドから突破し、パスを受けたギュンドアンが折り返し、レヴァンドフスキが得点を決めました。


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後半もバルセロナの勢いは止まらず、56分にレヴァンドフスキが再びゴールを決め、82分にはフェルミンがダメ押しの3点目を挙げ試合を決定付けます。

この試合で2ゴール2アシストと活躍したレヴァンドフスキは、まさにMVP級のパフォーマンスを見せました。彼はアトレティコ・マドリードの守備陣を翻弄し、バルセロナの攻撃を牽引しました。


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対するアトレティコ・マドリードですが、この大敗によりチャンピオンズリーグ出場権獲得はさらに遠のきました。彼らの代名詞ともいえる"強烈で統制されたプレス"は未だ健在でしたが、守備ラインの弱さが再び露呈しました。

来シーズンの彼らがかつての輝きを取り戻すためには、ディフェンス陣の補強は必須と言えるでしょう。過去の栄光である、2つのラ・ リーガタイトルとコパ・デル・レイ、そして2度のチャンピオンズリーグ決勝進出をもたらした勝負強さを思い出す必要があります。

上昇気流に乗りつつあるバルセロナ


大勝したバルセロナは、この勝利によりラ・リーガでの優勝争いに留まり、更にはUEFAチャンピオンズリーグで準々決勝進出を決めています。この通り、チームの状態は上向きにあると言えるものの、オフェンスの局面におけるボール回しには依然として課題があり、相手からのプレッシングを克服するメカニズムが未だ不足しています。

アトレティコ・マドリードと同様、新たなコンセプトの過渡期にあるバルセロナ。チームの完成度をより向上させる為にも、エスタディオ・シビタス・メトロポリターノで示した守備の堅牢さと、敵陣ゴール前での高いパフォーマンスを維持できるかどうかによって、今季の結果が決まるでしょう。