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【ラグビーW杯】日本代表vs南アフリカ代表のキック戦術分析

2019.10.31 written by Gaku Morita

初のベスト8進出を決めた日本代表。準々決勝の対戦相手は親善試合で対峙した南アフリカ代表。この試合は3-26で敗退した日本ですが、今回も「キック」に着目し予選プールでのキック数や試合中のキック数の変化などを見てみました。

※これらのデータはSPLYZA Teamsによって集計されています。

★試合ハイライト


★スタッツ比較はこちらから
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/rugby-analysis-wc19/

★日本のキック数推移
日本のキックは20回でW杯全5試合の中央値。親善試合の時のキック数とほぼ同じ数でした。南アフリカは28回と日本より多くキックを使っていました。


★チーム別キック分析
日本はキックが20回でまずまずの数字。キックは左右に振り分けられていましたが、自陣の低い位置からのキックが多かったです。


南アフリカはキック28回と日本より多かったです。相手陣地でも6回キックを使っていました。


★前半・後半比較
日本は前半から後半にかけてキック数が大幅に減りました。一方で南アフリカは増加しました。日本のキック減少は田村選手が48分に交代したことが影響したかもしれないです。


前半は3-5で健闘したものの、後半は0-21と大きく突き放され、最終スコアは3-26で敗退した日本でした。後半はキックを多用せず地上戦を選択した日本でしたが、そこでは南アフリカの方が一枚上手だった試合という印象です。

予選プールでは、ティア1と呼ばれる強豪アイルランド、スコットランド相手に、キックを多用せず地上戦を挑んで勝利してきました。予選プールでは強豪相手にもスクラムなどフィジカル的な部分で優位に立てていた日本でしたが、この南アフリカ戦ではその部分で優位に立つことができていなかったのは敗因の一つと言えると思います。

今回は大会を通じて、日本のキックの開始位置と終了位置データを集計しビジュアル化してきました。今回の日本はロシア、サモアには狙いを持ったキックを積極的に使って相手を崩して勝利。アイルランド、スコットランドにはキックを多用せず、地上戦で競り勝つような戦いを見せてくれました。南アフリカには、後半からキックを多用せずに戦ったものの地上戦で競り勝つことができなく、惜しくも敗退という印象でした。今後、2020年開催の東京オリンピックに向けてどういった強化がされていくのか?を楽しみに見て行きたいと思います。

プロフィール:森田岳 (Gaku Morita) エバンジェリスト/アナリスト

自動車業界出身で社会人サッカーチームの運営/監督/選手経験を持つ。サッカーに関するスタッツ・客観的なデータをこよなく愛し、戦術ボードアプリ「Tactical Board」の開発者でもある。尊敬する指導者はマヌエル・ペジェグリーニ。

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