【ラグビーW杯2019】日本代表vsサモア代表でのキック戦術分析

2019.10.11 written by Gaku Morita(SPLYZA Inc.)

日本代表は、初戦ロシア代表、2戦目は強豪アイルランド代表を下し、勢いに乗る中で迎えた3戦目の相手はサモア代表。前半からリードを奪い、後半はリードを広げ、38-19で見事勝利したこの試合のキックに着目し、この試合と過去試合のキックデータを比較して見ていきました。

※これらのデータはSPLYZA Teamsによって集計されています。

★試合ハイライト


★スタッツ比較はこちらから
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/rugby-analysis-wc19/

★日本のキック数推移
サモア戦のキック数は27回、ロシア戦よりも少なくアイルランド戦よりも多かった試合でした。この試合日本代表はサモア代表よりも5回多くキックしていました。


★チーム別キック分析
日本代表は自陣左側から、敵陣左側へのキックが多かったです。全体として左サイドでキックが行われていました。


サモア代表は右側へのキックが多かったです。積極的に右サイドを狙っていたように見えます。


★日本のキック分析(前半、後半比較)
前半と後半を比較したときに大きな狙いの変化が汲み取れるような大きな変化はありませんでした。試合を通じて左サイドへキックしていました。


★サモアのキック分析(前半、後半比較)
試合を通じて右側へキックしていました。特に後半は右サイドへの狙いが強くなったように見えます。


両チームともにキックを使って戦っていました。日本に対して左側、サモアに対して右側へのキックが多く、片方サイドでの消耗が激しい試合でした。


日本は、現在3連勝ですが、初戦(vsロシア)では右サイドへのキックを多用していました。2戦目(vs アイルランド)ではキックを多用せず、3戦目(vs サモア)では左サイドへのキックが多いなど、過去3試合で異なるキック戦術を用いています。次のスコットランド戦ではどんなキックを見せてくれるのか、またなぜその戦術を用いるのか?までを考えながら見てみると面白いかもしれないです。

プロフィール:森田岳 (Gaku Morita) エバンジェリスト/アナリスト

自動車業界出身で社会人サッカーチームの運営/監督/選手経験を持つ。サッカーに関するスタッツ・客観的なデータをこよなく愛し、戦術ボードアプリ「Tactical Board」の開発者でもある。尊敬する指導者はマヌエル・ペジェグリーニ。

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