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【ブンデスリーガ19/20】第2節 RBライプツィヒvsフランクフルト マッチレポート「両チームのボール奪取エリア+長谷部&鎌田選手のプレーデータ分析」

2019.08.27 written by Daichi Kawano

※この記事はSPLYZA Teamsのタグ付け機能から割り出されたデータをもとに構成されています。

今シーズンよりナーゲルスマン体制となり、主力を残しつつ若手有望株も獲得し公式戦2連勝でシーズンをスタートしたRBライプツィヒ。一方、ヨヴィッチがレアルマドリードに、ハラー(アレ)がウエストハムに移籍するなど主力がごっそり抜けてしまったフランクフルトはヒュッター体制2年目を迎えます。共にリーグ戦初戦を勝利した両チームですが、14/15シーズンにレッドブル・ザルツブルクで指揮を執ったヒュッター監督が、(当時の教え子が多く所属するため)選手の特徴を把握しているライプツィヒに対してどのような手を打つのか。またナーゲルスマンはどのような攻守バランスで試合に臨むのか。非常に興味深い一戦となりました。この記事では両チームのビルドアップの陣形(対守備ブロック)とボール奪取(インターセプト+タックル+セカンドボール回収含む)のエリアごとの回数、そしてこの試合90分フル出場した長谷部選手と鎌田選手のプレー分析を行っていきます。

▼RBライプツィヒ スターティングメンバー

第1節から中盤のカンプル→ヌクンクに変更。オフェンス時はザビッツァーもしくはヌクンクがワイドに張り出して3-4-3気味のフォーメーションに。ウニオン・ベルリン戦で見せた爆発的な攻撃力はこの試合でも炸裂するのでしょうか。

▼フランクフルト スターティングメンバー

初戦で得点を挙げたヒンテレッガーを始め、ダコスタやジェルソン・フェルナンデスがベンチスタート、そしてアタッカーのガチノビッチ&レヴィッチを欠く状態で第2戦に臨むフランクフルト。戦況としては多少ライプツィヒが優勢かと。

▼ライプツィヒの後方からのビルドアップ+フランクフルトの守備ブロック

ライプツィヒはビルドアップ時に3CBとデンメでダイヤモンドを形成。両WBのクロスターマンとハルステンベルクは最前線までは上がらず1.5列目〜2列目にステイ。基本的には3CBから前線もしくは中央2列目に楔のボールを入れてレイオフで前進する形を目指していました。この形は前後半合わせて9回確認。フランクフルトは3-4-3の守備ブロックで対応。

▼フランクフルトの後方からのビルドアップ+ライプツィヒの守備ブロック

フランクフルトは3CBが大きく開いた上で両WBのドゥルムとコスティッチが1列目まで上がりピン止め。ライプツィヒの最終ラインを5枚で対応させるよう仕向けます。ライプツィヒの3センターの脇を狙いつつ、主にサイドを経由したオフェンシブルートで組み立てを行いました。この形は前後半合わせて(ライプツィヒ同様)9回確認。ライプツィヒは主に5-3-2の守備ブロックで対応。

▼両チームのエリア毎ボール奪取回数(前半)

両チーム、3-1-4-2対3-4-1-2のシステムの噛み合わせのため試合中はあまり前線からのプレッシングは行われず、主にミドルゾーンでのトランジション合戦となりました。こちらはインターセプトやタックルに加えてセカンドボール回収も含んでいるため、オンプレー時に攻守が入れ替わった場所を示しています。前半は両サイドとゾーン2でのボール奪取はライプツィヒが僅かながら上回っていました。

▼両チームのエリア毎ボール奪取回数(後半)

後半はよりどちらかが押し込んでの試合展開となったため、自陣でのセカンドボール回収が多くなり敵陣でのボール奪取はさほど多く行われませんでした。ライプツィヒの2得点目はライプツィヒの左サイドでのボール奪取→カウンターから、フランクフルトの1得点目は自陣でのボール回収から右WBのチャンドラーのアイソレーションから生まれました。後半に関してはライプツィヒも守備に回る時間帯が多く、セカンドボールの回収を含めるとフランクフルトが上回りました。

▼鎌田選手のピックアッププレー分析

シーズン開幕直前にチーム残留が決まった鎌田選手ですが、ピッチ上のパフォーマンスも相当の出来でした。失点に直結するボールロストこそありましたが、ファイナルサードに侵入するパスを4本供給、また53分のトラップからのディストリビューション(ロングフィード)を前を向いて受けてボールを運びクロスを上げたシーンはこの試合における彼にとってのハイライトだったかと思います。今回の90分間の立ち振る舞いは、ヒュッター監督だけでなくチームメイトからも信頼されている事がデータ上でも証明されています。最終ラインの長谷部選手からの配給もそうですが、特に左サイドのコスティッチとの連携が光っていましたので、今後も鎌田選手がフランクフルトの攻撃のトリガーになってきそうです。

▼長谷部選手のピックアッププレー分析

昨シーズンは地元紙においてブンデスリーガの年間ベストイレブンにも選ばれ、今やチームの大黒柱となったCBの中央を務める長谷部選手。この試合でもチャンスにつながる縦パスを3本、広範囲に渡りボール奪取とセカンドボール回収を9本記録しています。1失点目はヴェルナーから少し目を離した隙に生まれたものでしたが、そのあとはスピードで上回るヴェルナーをほぼ完封。ビルドアップの起点としても機能し、攻守に渡り活躍していました。今シーズンも安定したパフォーマンスが期待できます。

▼試合結果と両チームのスタッツ比較

試合は2-1でライプツィヒが勝利。ボール保持についてはフランクフルトが制しましたが、トランジションや守備に関する項目はライプツィヒが若干上回りました。ライプツィヒはこれで開幕2連勝、順位はドルトムントに次いで2位につけています。

▼RBライプツィヒvsフランクフルト ハイライト動画
ヴェルナーの1点目はCKから、ポウルセンとパシエンシアのゴールはそれぞれ前途の通りボール奪取が起点となりました。なお1点目につながったCKについては、自陣からのビルドアップでムキエレからヴェルナーへのロングスルーパスがきっかけとなりました。第1節の記事でも特集しましたが、ナーゲルスマン戦術の鍵を握る「最終ラインから前線へ供給される縦パス」が効果を発揮した瞬間でもありました。今後の試合でもCB起点のチャンスメイクは数多く見られると思います。

▼おまけ:今週のナーゲルスマン監督
ナーゲルスマン監督、前半はナイキのスウォッシュの下に「AIR MAX」と書彼た黒Tを着ていたんですが、後半しれっと「AIR MAX」表記のない黒Tシャツに着替えてました。これに気づいた人、何人いるかな…

↑前半のナーゲルスマン

↑後半のナーゲルスマン

プロフィール:河野大地 (Daichi Kawano) デザイナー/アナリスト

宮崎県出身。約10年の広告制作会社勤務ののち、長年趣味で行なっていた映像編集技術やデータ分析、インフォグラフィックに関するスキルを買われスポーツテック業界へ2018年に転籍。現在は株式会社SPLYZAにて試合映像分析アプリの開発・運用にUI設計&デザイナーとして携わる。4児の父。

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