
第99回全国高校サッカー選手権大会スタッツレポート 準々決勝:堀越 vs 青森山田
2021.01.08 written by Gaku Morita(SPLYZA Inc.)
※この記事はSPLYZA Teamsのタグ付け機能から割り出されたデータをもとに構成されています。
スタッツレポート:堀越 vs 青森山田
以上は、SPLYZATeamsを使って、前進するプレー(ロングパス、タテパス、ドリブル、クロス、シュート)と、プレーが起きた位置、プレイヤーにタグをつけ、その集計結果を使って作成されたレポートです。(セットプレーやクリアボールなど、味方に通す意図が汲み取れないプレーは集計されていません)
マッチレビュー:試合展開
青森山田は前半からボールを支配し果敢に攻め続け、前半で4得点(内セットプレー3点)。堀越は青森山田の圧力に押され、シュートまで行く機会を作ることがほとんどできなかった試合でした。前半から青森山田は積極的にボールを奪い、攻撃を仕掛けて堀越にプレーをさせていませんでした。後半は堀越がボールを扱うシーンが増えましたが、ゴールが遠かった試合展開でした。
堀越は自陣でのプレーが多く、相手ゴールへ迫ることができていなかったのが数字に表れています。
青森山田は自陣への侵入を許さず相手陣地で多くプレーすることができていました。
★PICK UP:青森山田データ
フォーメーションは4-1-4-1。堀越戦では積極的なプレスで相手を押し込み、2列目に位置する8番の小原選手、10番の松木選手、7番の安斎選手、14番の仙石選手が仕掛け、そこに両サイドバックの内田選手、ダビナス選手がオーバーラップして攻撃に絡むシーンが多くみられました。また、2番の内田選手のロングスローも、そこから2得点するなど相手に脅威を与えていました。
選手別グラフをみると、7番の安斎選手、5番の藤原選手が多くボールを前に進めていたことがわかります。7番の安斎選手はシュート数、ドリブル数でトップと、2列目から攻撃に絡みゴールを脅かしていました。5番の藤原選手はDFラインから正確なロングパスを量産していました。
エリア別グラフからは、この試合青森山田は自陣ではロングパスを多用していたことがわかります。自陣では比較的シンプルに精度の高いロングパスでボールを運び、相手陣地で圧力をかけて攻めていたのが数字に表れています。
まとめ
この試合データから、青森山田はボール保持型で、ハイプレスを行うスタイルに分類されます。自陣では比較的にシンプルにボールを前に運びますが、ショートパス、ドリブルを使って相手陣地で攻撃を仕掛け、ボール失ったらハイプレスで即座にボールを奪い返しまた攻撃という展開が多くみられました。
青森山田は前々回大会(第97回)優勝、前回大会(第98回)は準優勝という結果でした。過去の青森山田のデータと比較すると、大会ごとにスタイルが変化していることが見られます。第97回大会ではちょうど中央のバランス型、そこから第98回大会ではボール非保持のハイプレス型、今大会ではボール保持のハイプレス型に変化しています。所属する選手、チーム状況に応じて最適なスタイルに変化するチームといえそうです。
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プロフィール:森田岳 (Gaku Morita) エバンジェリスト/アナリスト
自動車業界出身で社会人サッカーチームの運営/監督/選手経験を持つ。サッカーに関するスタッツ・客観的なデータをこよなく愛し、戦術ボードアプリ「Tactical
Board」の開発者でもある。尊敬する指導者はマヌエル・ペジェグリーニ。
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