第97回全国高校サッカー選手権大会マッチレポート 準々決勝:秋田商業 vs 流通経済大柏

2019.01.11 written by Gaku Morita(SPLYZA Inc.)

※この記事はSPLYZA Teamsのタグ付け機能から割り出されたデータをもとに構成されています。














以上は、SPLYZATeamsを使って、前進するプレー(ロングパス、タテパス、ドリブル、クロス、シュート)と、プレーが起きた位置、プレイヤーにタグをつけ、その集計結果を使って作成されたレポートです。(セットプレーと、クリアボールなど、味方に通す意図が汲み取れないプレーは集計されていません)


マッチレビュー:試合展開と流通経済大柏の戦い


試合は流通経済大柏が前半に得点して勝利。流通経済大が攻めて、秋田商業が守る展開の試合でした。



両チーム共に4-4-2でスタート。流通経済大柏のプレーの50.5%は秋田商業の陣地。流通経済大柏は自陣に相手を寄せ付けず、相手陣地に攻め込んでプレーし続けていたのが数字に表れています。



ドリブル、クロスが最も多いのは10番の熊澤選手。シュートが最も多いのは、9番の岡本選手。左でプレーする選手が攻撃の鍵となっていました。



図の円の大きさは、プレーの多さを表しており、18番の八木選手の円が最も大きく、最も多く攻撃に関わっていたことを示しています。ここから、18番の八木選手が攻撃のきっかけを作り、10番の熊澤選手が崩して、9番の岡本選手がフィニッシュという流れが想像できます。

右の図の円グラフは、自陣でのプレー比率を表しており、この試合では100%ロングパスでした。流通経済大柏は、自陣でショートパスやドリブルは使わず、徹底してロングパスを狙っていました。右の図の棒グラフは、左、中央、右でのプレーの比率です。シュートを含めると中央の比率が最も高く、シュートを除くと、左の比率が最も高いです。

この試合で流通経済大柏は、自陣からロングボールを送り、前線から激しくプレッシングをかけ、相手陣地でプレーするサッカーを徹底していました。その中で、攻撃は左からが多く、特に18番の八木選手、10番の熊澤選手、9番の岡本選手が活躍し、勝利した試合でした。


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プロフィール:森田岳 (Gaku Morita) エバンジェリスト/アナリスト

自動車業界出身で社会人サッカーチームの運営/監督/選手経験を持つ。サッカーに関するスタッツ・客観的なデータをこよなく愛し、戦術ボードアプリ「Tactical Board」の開発者でもある。尊敬する指導者はマヌエル・ペジェグリーニ。

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